原因不明と言われることも!めまいの種類と原因について
健康で痛みや不調の無い生活を送りたいというのは誰もが持っている考えだと思います。しかし私たちの身体には時に思いもよらないことが起こり、それによっていつまでも不調に苦しめられてしまうという事が起こるのも残念ながら事実です。
また人間の身体というのはコンピュータのように正確で一見すると自分の思い通りに身体は動いているように感じてもその実、ちょっとした疾患ひとつで、あるいはある部分に不調が起こると、それが全身に影響を来してしまうこともあります。
今回はそんな誰にでも起こる可能性がある不調「めまい」というものについて記事を書いていきたいと思います。めまいは、例えば貧血などによって一時だけ起こる場合もあればメニエール病などのように病気が原因で起こっている、あるいは原因が不明で起こる場合などもあり、とらえどころのない不調ではありますが、その多くは耳の奥にある三半規管の不調によって引き起こされます。それでは詳しく確認していきましょう。
めまいとは
起床時などに突然立ち上がると目の前が暗転したような感覚に陥ったり、周囲の景色がぐるぐると回る、あるいは自分自身がふわふわとした感覚を覚えたりすることがあります。これは一般に「めまい」と呼ばれる症状で、それ自体は病気ではなく、病気やその他の何らかの原因で起こる現象のことを言います。
そもそも私たちの体は、耳と脳によって平衡感覚を正常に保っています。耳には「内耳」と呼ばれる奥深いところに「外側半規管」「前半規管」「後半規管」の3つで成る「三半規管」が存在しているのですが、この三半規管は頭を回転させたときにその方向や速さを感知し、それを電気的刺激による情報として脳へと送ります。これを受けた脳は、筋肉や関節など他の器官から発せられる情報と合せて総合的に判断し、自分の今の姿勢を把握するのです。
通常三半規管から発せられ脳が受け取るこの情報は実際の体の姿勢と一致しているのですが、これに狂いが生じると情報と実際の姿勢とが異なるという不一致が生じます。この状態が、「めまい」。この不一致は多くの場合三半規管の感知能力の異常、あるいは情報を受け取る脳の側の異常によって起こるため、めまいは大抵の場合耳か脳のどちらかに原因があると考えられるのです。
めまいの種類
めまいはその症状によって主に3種類に分けられます。
1つは周囲の景色がぐるぐると回っているように感じる「回転性めまい」。これは突発的に起こることが多く、吐き気や嘔吐、耳鳴りや難聴などの症状を伴うこともあります。これは三半規管のある内耳部分が浮腫んだり炎症を起こしたりする場合に発生することが多く、そうであれば自然と治る可能性もあるのですが、脳梗塞や脳溢血など脳の重篤な病気が原因となって起こることもあります。
2つ目は「浮動性めまい」で、体がフワフワとした感覚に襲われるほか、頭痛や痺れ、肩こりなどを伴うことも少なくありません。しばらく横になっていても治まらず長く続くことも多いのですが、これは自律神経の乱れや眼精疲労などが原因となっていることが多く、その場合検査ではハッキリとした器質的な原因が見つからないため「原因不明の不定愁訴」として扱われてしまいます。
最後は立ち上がった時に目の前が一瞬暗くなり意識が遠のくような感覚に襲われる、「立ちくらみ」です。これは「眼前暗黒感」とも呼ばれており、主に脳への血流不足が原因であると考えられています。このため低血圧や血行不良の人に多く、またストレスでも発生すると言われているのですが、あまりに頻発する場合は心臓病や血圧異常といった病気が原因となっている可能性もあります。
まとめ
今回は誰にでも起こりうる不調の一つ、めまいについて記事を書いてまいりました。文中にもありますが、一口にめまいといっても自分から見える景色や感覚によっていくつかの種類がありますので、たとえば専門家に掛かる時などは本文を参考にして自分にどのような症状が起きているかを正確に伝えることができると先方の理解が深まる手助けにもなるかもしれません。
まためまいというと、身体の不調が原因で専門家にかからなければ治らないとお考えの方も多いかもしれませんが、自助努力によって少しずつ改善する方法もあります。例えば軽度のめまいにお悩みの方は下記のようなトレーニングをしてみて様子を伺ってみてはいかがでしょうか。
めまいの改善と予防に有効な平衡訓練
新井部長からめまいの改善に役立つ平衡訓練(トレーニング)を教えていただいたので、ご紹介しましょう。これはバランスの司令塔である小脳を鍛えるもので、目と耳と足の裏を有効に刺激します。慣れないうちは1~10まで数えながら、できるようになったら20まで増やして、2つのトレーニングを1セットにして朝と夜に行います。続けていると再発予防やふらつきの予防にも効果があり、セルフケアにおすすめです。
小脳のトレーニング
右利きの人は右手を前にしっかり伸ばし、親指を立てます。左手の人差し指は顎に当て、頭を動かさないようにします。その状態で伸ばした右手を左右に30度づつ動かして、目は右手親指の爪を追いかけます。目を動かすことで小脳を鍛える方法です。目で追いにくい場合は動体視力が低下しており、小脳の機能の衰えが考えられます。
三半規管(耳)のトレーニング
右利きの人は右手を前に伸ばし、親指を立てます。首を左右に30度ずつ振りながら、右手の親指の爪から目を離さないようにします。このトレーニングで目が外れやすい場合は、その方の三半規管の機能が低下している可能性があります。
引用:オムロン HP
URL; https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/180.html