スポーツ外傷の1つ・肉離れとは?肉離れと似た疾患とその見分け方

スポーツをすると大なり小なりケガをしてしまうものだと思います。例えばその原因は初心者のうちは余計な力をたくさん使うことによって無理に身体を動かしてしまうことかもしれませんし、ある程度の中級者になってもうまくなりたい気持ちが前に出て、練習をしすぎてしまうことによって起こる場合もあるでしょう。

今回はそんなスポーツにまつわるケガ。「スポーツ外傷」の1つにあたる「肉離れ」について記事を書いていきたいと思います。これは筋肉の表面を覆う筋膜や筋肉を構成する筋繊維が損傷を受けた状態で、筋肉が裂けてしまう筋断裂」のうち裂傷範囲が部分的なものを言います。

もちろん筋断裂の方がはるかに重症ではありますが、肉離れであっても数週間~数か月は治療に時間がかかり、生活の質を下げる結果になってしまうので、十分な予防策をとって楽しくスポーツするようにしましょう。それでは詳しく確認してまいります。

肉離れとは

肉離れ急激に無理な動きをしたときに起こりやすいのですが、これはそのような動きが対となる2つの筋肉を同時に収縮させてしまいやすいためです。というのも、通常体は脳から発せられた指令を受けて一方の筋肉を収縮させると、その裏側、対となる筋肉(拮抗筋肉)は弛緩して伸びるようになっているのですが、急激にそれまでとは異なる動きをしようとすると脳からの司令伝達にエラーが起こり、本来は弛緩しているべき拮抗筋肉まで収縮してしまいます。こうして両方の筋肉がお互いに引っ張り合ってしまうため、その力に負けて筋膜や筋繊維が破れてしまうというわけです。

こうして肉離れを起こすと、受傷時に「プチッ」という断裂音が聞こえることもあり、伸ばしたり押したり力を入れたりしたときに痛みを感じます。また腫れや内出血など、患部に変化が見られることもあります。

 

肉離れと間違えやすい疾患


肉離れと間違われやすい疾患の1つに、「こむら返り」があります。両者とも太ももやふくらはぎに起こりやすいのがその理由の1つですが、こむら返りは筋肉の損傷ではなく電解質不足などが原因で起こる筋肉の痙攣ですから、肉離れとは全く別のもの。筋肉の痙攣とはつまり筋肉が過剰に収縮した状態にあるということですから、発症後しばらくは力を抜くことができません。一方肉離れは筋肉の一部が切れてしまっているため、受傷後力が入らなくなってしまうという違いがあります。

もう1つ肉離れと似た疾患に「筋膜炎」がありますが、これはその名の通り筋膜が炎症を起こしている状態です。筋肉のオーバーユースにより筋膜が硬くなって炎症を起こし痛みを引き起こしているのですが、膜が破れているわけではありません。このため症状はよく似ていますが、MRI検査で筋肉の状態を確認すればその違いは明らかです。

また肉離れと同一視されることの多い「筋挫傷」も、より厳密に言えば受傷ルートに違いがあります。前述の通り肉離れは受傷者自身が無理な動きをすることで神経伝達にエラーが起こり、筋肉が引っ張り合って損傷してしまうというものですが、筋挫傷は何かに強くぶつかるなど、筋肉に直接的な外力がかかることで損傷を受けてしまった状態です。したがって受傷機転(ケガをした状況)がハッキリしていること、また太ももやふくらはぎ以外でも起こりやすいといった点が肉離れとは異なります。

まとめ

今回は主に練習をたくさんするなど筋肉を酷使続けることによっておこる肉離れについて記事を書いてまいりました。文中にもご紹介したように、肉離れと似たような症状を引き起こす疾患は数多くありますが、そのどれも基本的には酷使を続けたり、成長期などで筋肉が引っ張られた挙句、強い力によって筋肉が避けてしまうことによっておこります。

もちろん、昔からいわれているようにこれを防ぐには運動前の準備運動とクールダウンが欠かせないわけですが、先のように筋肉は酷使され続けると固くなる性質を持っていますので、これをしっかりと回復させてあげることも予防の施策の一つです。例えばストレッチだけでなく、下記のように普段からしっかりと栄養素を取るなどしてけがをしにくい体つくりを目指しましょう。

アミノ酸を充分に

食事では、筋肉をつくるタンパク質を魚や肉、大豆や乳製品からたっぷり摂るようにしましょう。

また、普段からトレーニング後や就寝前にタンパク質の素であるアミノ酸のサプリメントを摂ると、筋肉の修復がうまくいき、疲れにくい良い筋肉をつくるのに役立ちます。吸収効率の良いペプチドのサプリメントがおすすめです。

※ペプチドとは、たんぱく質が消化・吸収される際に分解され、アミノ酸がいくつかつながった状態のこと。 アミノ酸を数個まとめてとりこめるため、効率的に身体内に補給することができます。

筋肉の修復のためには、「筋肉づくりのゴールデンタイム」に合わせて、運動食後や就寝前にペプチドのサプリメントを摂ると良いでしょう。飲んで30~40分後には体に吸収されていきますので、修復の行われるタイミングにうまく合わすことができるのです。

適切なタイミングで摂取するだけで普段よりもからだづくり、リカバリーの効果が変わってきます。ぜひ試してみて下さい。

引用:サカナのちから

URL: https://www.kamaboko.com/sakanano/column/athlete/post7222.html