筋肉の痛みや凝りの原因は?筋肉の緊張とストレスの関係

緊張というものに対しての考え方は人それぞれだと思います。ある方にとっては適度な緊張は気を引き締めることになりますし、またある方にとっては忌み嫌う存在であるかもしれません。今回はそんな緊張の中でも筋肉の緊張とストレスとの関係について記事を書いていきたいと思います。

長時間の筋肉の疲労は緊張を生み出して、筋肉を硬くしてしまうものですが、精神的な緊張でも身体がこわばってしまってうまくパフォーマンスができないという経験はどなたにもあると思います。もちろん緊張しやすい方に緊張するなといっても無理というものですから、それよりは自分は緊張しやすいタイプということを理解して、ご自身で出来る対処をすることが精神的・肉体的ストレスと向き合うことにつながると思います。それでは記事を始めてまいります。

筋肉の緊張の原因

筋肉が緊張し痛みや凝り、可動域の制限を引き起こすというのは、誰しも1度は経験するもの。例えばデスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると筋肉が硬くなり緊張するため、血行が悪くなり本来血流によって回収されるはずの疲労物質や発痛物質が留まって痛みや凝りなどの症状が現れます。

また筋肉が限界以上に引き延ばされて筋繊維が断裂してしまった場合、それが修復されるまでの間カルシウムで筋肉を凝固させていわばコルセットのようにし、断裂範囲を最小限にとどめようとする作用が起こります。このコルセットは筋肉が完全に修復されれば自然となくなるのですが、修復を待たずに動かすと凝固した筋肉の緊張成分が周辺筋肉に残ってしまうため、いつまでも痛みがありコルセットが残っているような状態になってしまうのです。

筋肉の緊張とストレスの関係

上記のような「筋肉の緊張」は一定の期間を経てできてしまった筋肉そのものの硬さが原因ですが、実はもう1つ、脳からの指令によって筋肉が硬くなってしまうというケースもあります。というのも筋肉の伸縮は脳の視床下部によってコントロールされており、視床下部が「この部分の筋肉を緊張させなさい」と命じれば、体は意識の有無に関係なく自動的に筋肉を緊張させるようにできているからです。

この筋肉の緊張のおかげで外部からの刺激に素早く対応できるようになっているため、これも生きていくのに欠かせない生体反応の1つと言えるのですが、何らかの理由により視床下部が誤作動を起こして不必要に筋肉を緊張させたりあるいはその解除指令を出さずずっと緊張状態にしてしまったりすることがあります。これが、「脳からの指令によって筋肉が硬くなってしまうケース」。問題は筋肉そのものではなく視床下部の誤作動ですから、どれだけ外部からマッサージなどで筋肉の緊張をほぐそうとしても、全く効果はありません。

この視床下部の誤作動の主な原因となるのは、ストレスです。というのもストレスは自律神経中の交感神経を優位にさせ、その総司令部とも言える視床下部にその心身の状態を伝えます。この情報を受けて視床下部は「今は筋肉を緊張させるべき時」と判断し、その指令を筋肉に伝えるのです。人前でスピーチをするなど一時的なストレスによる緊張は、その時が過ぎれば解除され筋肉は弛緩しますが、例えば人間関係や仕事上の悩みなど慢性的にストレスを抱えていると視床下部も「解除」のタイミングを失って誤作動を起こし、いつでも筋肉が緊張した状態になってしまうのです。

まとめ

今回は筋肉の緊張ストレスというテーマで記事を書いてまいりました。文中にもありますが、筋肉は緊張を続けることで疲労していき、疲労は筋肉をさらに硬くしてしまいます。さらにその状態で普段から姿勢が悪かったり、デスクワークをする機会が多いなどの要因が重なると、肩こりや腰痛だけでなくぎっくり腰やヘルニアを患う可能性も高くなります。

筋肉の緊張は先のようにストレスを軽減することも、もちろんですが、集中しすぎないように一時間に一度を目安に作業を止めて少し歩いたり、下記のようなトレーニングを行うことでかなり疲労が少なくなりますので、おすすめです。

筋肉をゆるめるトレーニング

体をリラックスさせるのに効果的なのが、筋肉をゆるめるトレーニングです。今回は、目の周り・額・肩、この3か所の力を抜く方法をご紹介します。この部分は、ストレスがかかったときに力が入りやすい部位であり、なおかつ力が抜けにくい部位でもあります。意識的にこの部分をゆるめるトレーニングをすることで、全身の力も抜けていきます。

力を入れた状態から力抜いたときの、フッとゆるんだ感覚を味わうことが大切です。いつ行ってもいいですが、ふだんより不安や緊張が高まっているときに行うと、効果的です。

目の周りの力を抜く

背筋を伸ばして座り、軽く目を閉じる。

息を吸いながら、目をギュッと閉じる。力が入っていることを感じながら、この状態を2~3秒キープする。

息を吐きながら、目の周りの力を抜く。このとき、目を開ける必要はない。

※2~3を何度か繰り返す

額の力を抜く

背筋を伸ばして座る。

息を吸いながら、額に力を入れて上を見る(顔は動かさない)。

息を吐きながら、軽く目を閉じる。

※2~3を何度か繰り返す

引用:NHK健康チェンネル

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_697.html