コンタクトスポーツをする人は要注意!バーナー症候群とは

コンタクトスポーツ、つまり格闘技やバスケ、ラグビーなど選手同士が激しくぶつかり合うようなスポーツは見ている我々を熱狂させ、楽しませてくれるものですが、実際にあれだけ選手同士がぶつかり合ってケガなどしないものだろうか?という疑問はどなたにもあると思います。

その答えはもちろんNOで、一般的にスポーツ障害と呼ばれるスポーツに端を発するケガや疾患というのは練習のしすぎ筋肉疲労を起こし、それによって負荷がかかることで患部に炎症や痛みを引き起こす物が多いのですが、コンタクトスポーツをしている方はそれらに加えて他社との衝撃で起こるケガというものにも悩まされることになります。

今回ご紹介するバーナー症候群もそういった人間同士のコンタクトによって首の神経が圧迫され、発症するもので筋力の低下や脱力、しびれといった症状を生み出します。多くの場合は重症化せずに回復していくことがほとんどですが、痛みを抱えたままスポーツを続けていくと、その箇所をかばってしまって余計なケガや疾患を併発してしまう事もありますので、不調が現れた際には安静にするようにしましょう。それでは詳しく確認してまいります。

バーナー症とは?

冒頭のようにアメリカンフットボールやラグビーなど選手同士が激しくぶつかり合うスポーツは、それだけに突発的な事故やケガが多いものなのですが、その代表的なもの1つが「バーナー症候群」です。

「バーナー症候群」とは頭頚部に強い衝撃を受けた時に起こる神経障害のこと。例えばアメリカンフットボールでタックルをしたとき、首を左右どちらかに曲げた際にその曲げた側の神経を挟み込むような衝撃が加わったり、対戦相手に衝突し頭のてっぺんから強く押さえつけられるような衝撃が加わったりすると、首の骨の間を通っている神経が圧迫されてしまいます。

この首の間を通っている神経を「腕神経叢(わんしんけいそう)」と呼ぶのですが、腕神経叢は首から肩、腕に向かって走っている神経の束に繋がっているため、この神経が圧迫されれば首から腕にかけて激しい痛みが生じるのです。これがまるで燃えているかのような焼け就く痛みであることから「バーナー症候群」と呼ばれていますが、正式な医学名称は「頚部神経過伸展症候群」と言います。

バーナー症候群の症状と対策

先述した通り、バーナー症候群はラグビーのタックルなどで人と激しくぶつかった瞬間に起こるもので、左右どちらか片側の首から腕にかけて、広がっていくようにして焼けつくような激しい痛みを感じます。また痺れや脱力、筋力低下、感覚異常などを引き起こすこともあります。しかしいずれにしてもこれらは一過性のもので、大抵数分、長くても1時間ほどで症状は軽快しますし、重症例であっても95%の人はスポーツ復帰が可能であるため、過度に心配する必要はありません

ただし神経障害の回復を待たずにスポーツを再開してしまうと再発する可能性がありますし、再発を繰り返しているうちに慢性的で半永久的な神経障害となってしまう危険性もあるため、まずは全快するまで3週間ほど安静にしておくことが大切です。

スポーツへの復帰基準としては、痛みや痺れ、感覚障害などがないこと、首や腕の全可動域を問題なく動かせること、筋力検査において通常の強度を確認できること、深部腱反射(骨格筋の腱を叩いたときに起こる反射)が正常であること等が挙げられます。これらの基準を満たしていればまずは軽いランニングから始め、少しずつ頸部の運動を増やしていきながら復帰を目指すことができます。

一方なかなか症状が消えず椎間板ヘルニアや神経根損傷の疑いがある場合には、それらに対する改善から入る必要があります。

まとめ

今回はフルコンタクトスポーツなど他人やものとよく衝突するスポーツに多いバーナー症について記事を書いてまいりました。文中にもあるようにバーナー症は再発しやすい疾患ですから、一度、起こった際にはきちんと完治を目指す、あるいは普段の準備運動でもきちんと首を動かして予防に努めるようしましょう。

またバーナー症の予防にはストレッチも、もちろんですが、首の筋肉を鍛えて頸椎にかかる負荷を減少させる方法もありますので、気になる方はぜひ、下記の方法を試してみてください。

頚椎の筋肉を鍛錬する。
①バスタオルを折り重ね両肩が床に着く高さで、バスタオルを50%の力(頭)で抑え、アゴを引く。 (5秒 20回ずつ)

猫背、肩コリ、首コリの改善
②バスタオルを折り重ね両肩が床に着く高さで、アゴを引く。 (5秒で 20回ずつ)

③椅子に座り、アゴを手前に引き1~4を行います。

頚椎の鍛錬強化 (1~4を1日20セット)
1. 両平手を額におき、相互に相方より押さえつける 5秒

  1. 右手平を右こめかみにおき、相互に相方より押さえつける5秒
  2. 左手平を左こめかみにおき、相互に相方より押さえつける5秒
  3. 組んだ両手を後頭部におき、相互に相方より押さえつける5秒

実際治療を受けている患者様から、痛み、しびれ、頚椎のガタガタが改善した等、普通の生活ができる迄回復と好評です。

引用:病院介護ナビ MILMIL