運動不足はこんな所にまで?下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)!

人は見た目が9割という著書が以前に出ましたが、他人から見られるものといえば健康な顔つき、服装、姿勢などが主な印象になると思います。しかし、長めのズボンをよく履く男性とは異なり膝から下が露出するスカートハイヒールを履く女性にとっては、そういった点も印象の一つになります。

から下の印象を悪くしてしまう疾患といえばO脚X脚といったの変形も考えられますし、外反母趾内反小趾といった足指の変形にも注意が必要です。今回はふくらはぎの見た目が悪くなり、足がだるくなりやすい、痛みが生じる、そんな症状が現れる下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)について記事を書いていこうと思います。

この疾患は命を脅かすようなものではありませんが、自分の変色していたり、変形しているとやはり不快なものですから、すでに症状がある方は改善に向けた努力を行うようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

人体の血管について

私たちの身体にはすみずみまで血管が通り、その中を血液が循環することで身体に必要な栄養素酸素を行き渡らせたり、ケガをした際は血液を集めて治癒を行ったりしていることはご存知の方が多いと思います。

またその血液心臓が収縮することでポンプのような役割をこなし、全身に行き渡らせているのですが、いくら心臓のポンプが強力でも足元までいった血液を再び心臓まで戻すほどに強力なものではありません。

ですからふくらはぎには血流を心臓まで戻すことを補助する「筋(きん)ポンプ作用」という機能が備わっています。この作用は足の筋肉収縮弛緩を繰り返すことで血管に圧力をかけることで血流を加速させているのですが、足元は一番心臓から距離も遠く、特に立ち上がっている時は重力のチカラも加わり加速するだけでは十分ではありません。

その為、この筋ポンプ作用をさらに補助する「静脈弁(じょうみゃくべん)」というものがついています。漢字からもお分かりいただけるとおもいますが、この静脈弁血液の逆流を防いてくれるわけですが、この筋ポンプ作用がうまく働かないことによってふくらはぎに血流が溜まってしまうのが今回のテーマでもある下肢静脈瘤というわけです。

下肢静脈瘤になりやすい人

基本的に立ちっぱなしの仕事をしているような方であったり、足に負担がかかる体形の方など下半身に負担をかけている方に多く発症します。例えばショップの店員さんやレストランで働いている警備員をしている、などの職業の方、あるいはあるいは肥満体形であったり、妊娠している時にも発症しやすいです。

また運動不足の方の場合も血流が悪くなったり、足の筋肉が衰えているなどの理由でも発症します。筋肉は疲労すると硬くなる性質を持っていますので、自分の骨格よりも体重がある、ずっと立っている、筋肉が衰えている、といった事があると筋肉は疲労して硬くなり、筋ポンプ作用がうまく働かなくなるためです。

次に下肢静脈瘤の症状ですが、冒頭でも触れたとおり、足の痛みやむくみが生じた入り、ふくらはぎに紫色のうっ血ができたり名前の通り(コブ)が現れたりします。ちなみに紫色に変色してしまう理由は、静脈の流れが滞るからです。

心臓から出たばかりの血液栄養酸素を含みんだきれいな赤い色をしていますが、身体を通るうちに酸素量が減り、徐々に変色し、心臓に戻ってくる時には暗い紫色に変化しています。コブが出来てしまうことも問題ですが、紫色の変色は赤よりも異常な色に映りますので、見た目をする方にはあまり良いものではありません。

まとめ

今回は心臓に血流を戻す作用を持っている筋ポンプ作用やそれを補助する静脈弁が破壊されることによって変色や痛みを引き起こす下肢静脈瘤について記事を書いてまいりました。

文中でも触れていますが、この疾患は酷使老化によって筋肉が硬くなったり、運動不足によって筋肉の負荷が増えることによって発症します。ですから予防するためには日ごろから運動を生活に取り入れたり、酷使を減らすために立ちっぱなしにならず、一時間に一度、休憩したりすることで脚の負担を減らすことが大切です。

また運動以外でもなるべくふくらはぎに血流を集めすぎないことで改善が見込めますので、横になって休んでいる時には足を壁につけて血流を心臓に戻してあげたり、寝るときには足の後ろにクッションを挟んで心臓よりも高くしてあげることも効果的です。

しかしもしも自分で改善に向けた努力をしても効果が見られなかったり、痛みがずっと続くような場合はやり方が間違っていたり、他の疾患を併発しているのかもしれません。

下肢静脈瘤に限らず、足の痛みやむくみ、だるさに悩んだ時は、お気軽に当院までご相談ください。