四十代から始まる肩の激痛!!五十肩とは!?
外出の前に髪をセットする時、シャツを着る時、肩が痛くて上がらない、肩周辺が痛む、これらの症状に悩んでいる方は、五十肩になっているかもしれません。
五十肩の痛みは筋肉が原因ではなく、肩の関節に問題が生じたために起こります。通常の肩こりとは違い、腕を上げたり、肩の関節を動かす際、肩から腕にかけて激痛を感じるというのが大きな特徴といえます。
今回はそんな五十肩の原因、肩関節の構造、対処法について確認していきたいと思います。
五十肩に関係する肩関節の構造
五十肩による肩の痛みは身体の衰えと関係しており、肩関節の老化によって起きる炎症が原因だと言われているのですが、まずは痛みの原因の前に肩関節の構造から確認しましょう。
肩関節は肩甲骨(けんこうこつ)、腕の上部にある上腕骨(じょうわんこつ)、肩甲骨と連携している鎖骨の3つで構成されており、その周辺を筋肉が支えています。
また骨があれば当然、関節もあります。肩回りにある関節は肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)と呼ばれ、この箇所が肩や腕の滑らかな動きを司っているのですが、この関節は肩との接着がゆるく外れやすいという特徴を持っています。
それを補っているのが肩甲骨から上腕の上端部にかけてある9つの筋肉群なのですが、特に五十肩に関係しているのは小円筋(しょうえんきん)、棘下筋(きょくかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)などと呼ばれる筋肉群です。
肩周辺は骨、関節、筋肉が複雑に絡み合い構成されています。もちろん、こういった複雑な構造のおかげで私たちは前後左右上下に肩を動かし、腕や上半身をスムーズに動かすことができるのです。
五十肩の原因
では続いて老化に伴い五十肩になる原因についてです。人間の体は老化していくと筋肉、関節が硬化していくという特徴を持っているのですが、硬くなるということは脆くなると同義です。
例えば腕を曲げ伸ばししてもわかる通り、筋肉は通常、弾力性のあるスジの束で出来ています、しかしこれが硬くなってしまうと腕の曲げ伸ばしがスムーズにできないだけでなく、筋肉と骨を繋いでいる腱にも負担がかかります。そうなると腱に疲労が蓄積していき、わずかな力で傷つき炎症を起こしてしまいます。
これが五十肩の前兆だと言われています。
繰り返しますが、五十肩の発症原因は、肩甲上腕関節の酷使や老化によって伴う組織の硬化、筋肉と骨を繋ぐ腱の炎症なのですが、そのほかにも老化によって血流が悪くなってしまうのも原因の一つです。
血流が悪くなると、体の各部位に十分な栄養と酸素が送られず、栄養不足から筋肉や腱にたまった疲労が回復せず、さらに組織が疲弊していくことになり、五十肩や肩こりなどの症状が悪化する原因にもなります。
五十肩になったらどうすればいい?
五十肩の痛みには特徴があります。まず初めにズキッと激痛が走り、その後、しばらくは小さな痛みを感じ肩が動かしずらいな、、と感じます。そして痛みが引き、肩も動かせるようになっていくというものです。
ここでは痛みが走る期間ごとに急性期、慢性期、回復期と呼びましょう。急性期はおよそ発症から2週間、慢性期は急性期を超えてから約半年、そして回復期は半年からおよそ一年ぐらいです。
人間は痛みを感じなくなると治ったと勘違いしてしまいますが、回復期でも無理に肩を動かしたり、肩に負担がかかる重たいものを持つと再発する場合がありますので注意が必要です。
それでは、それぞれの周期に合わせた対処法を解説してまいります。まず急性期ですが、この時期は肩を動かさないようにしましょう。といっても激痛で動かすことができないと思います。
ですから肩が動かないように身近なものを使って「固定」してあげるのが良いでしょう。さらに腱が炎症していると考えられますので痛みが出ている患部を冷やしてあげることをお勧めします。
痛みの時期がすぎて慢性期に入った場合、今度は肩を温めてあげることで筋肉と腱を柔らかくして再発を防ぎ、血行を促進してあげましょう。またこの時期に入ると多少の痛みを感じることはあっても肩を動かすことができるようになりますので軽い運動をして肩のこわばりを解消しましょう。
最後に回復期ですが、この時はすでに痛みはなく、肩もスムーズに動かせるようになっている方がほとんどです。ですが前述の通り、まだ完治はしていません。
先ほど人間は痛みがないと注意を怠る、と書いた通り、痛みがなくなれば五十肩のことも気にかけなくなってしまうと思います。ですから日常生活を送る時のアドバイスとなりますが、例えば夜、寝る時は肩までしっかりと布団をかける、お風呂に入った後は湯冷めしないようにする、冬場は薄着にならないようにする、などなるべく肩と体を冷やさないようにすると再発の防止につながります。
まとめ
今回は五十肩の原因、肩回りの関節の解説、対処法について確認してきました。肩に痛みがあると仕事や家事に集中しにくくなり、憂鬱な気分になります。
ですから五十肩でなくても肩回りが硬くならないように適度な運動を心掛け、肩を冷やさないように注意しましょう。
特に五十肩は中高年の方に多く発症する傾向があり、中には「時間が経てばすぐに治るだろう」と早期の診断を先延ばしする方もいるかもしれませんが、痛みがひどくなる前に一度専門家の下へ足を運んでみてはいかがでしょうか。