スポーツをする思春期に多い痛み・外脛骨の種類や外脛骨障害の原因
ケガをしやすい年齢といわれると多くの方にとっては加齢によって筋肉が硬直したり、関節などが脆くなってしまう高齢の方を想像する方がほとんどだと思いますが、実は思春期の身体もケガになるリスクを多く抱えています。
例えば一般的なスポーツ障害(スポーツに起因するケガ)などはそのほとんどがオーバーユース(使い過ぎ)によって起こるのですが、これは使いすぎることによって筋肉が硬直してしまうことで関節などを引っ張り炎症を起こします。一方で成長期というのは何もしていなくても骨が伸長していく時期なので、さきほどと同じようにそれに連られて筋肉やスジなどに牽引力がかかり、ちょっとしたスポーツをしているだけで痛みを引き起こす場合があるのです。
今回はそんな時期に起こりやすい外脛骨障害という不調について記事を書いてまいります。それでは確認してまいりましょう。
外脛骨障害とは?
10~15歳の思春期、特にクラブ活動などでスポーツをしている子供に多いくるぶし前方の足底側に痛みを感じるのが「外脛骨障害」です。
「外脛骨」とは足の内側のアーチ部分にある「舟状骨」にできた過剰骨のことを指します。骨の成長時、軟骨同士がくっつきあって舟状骨を形成する過程で、本来1つに繋がるはずだった骨が分かれたままになってしまうとそれが過剰骨となってしまうのですが、それ自体は疾患ではなく普通に起こり得る症状です。
実際全体の5~20%の人が外脛骨を持っているとされているのですが、殆どの人は無症状であるためその事実に気づくことさえありません。ところが何らかのきっかけでこの外脛骨部分に痛みが出ることがあり、これを「外脛骨障害」あるいは「有痛性外脛骨」と呼ぶのです。
外脛骨の種類と外脛骨障害の原因
外脛骨の有無はレントゲンやMRIで確認することができ、その結果は「Veitch分類」という分類法で評価されます。Veitch分類では外脛骨を3つのタイプに分類しますが、外脛骨が舟状骨に付着している後脛骨筋腱内にあって舟状骨とは分離している状態である「TypeⅠ」や、骨状骨に連続して1つに繋がっている状態である「TypeⅢ」で痛みが起こることはほとんどありません。
痛みの原因になるのは外脛骨が舟状骨と線維性に結合している「TypeⅡ」の場合で、この場合運動などで後脛骨筋腱が引っ張られると外脛骨が刺激を受け、外脛骨と舟状骨の間に炎症が起こって痛みを感じるようになると考えられているのです。
この外脛骨障害が10~15歳の思春期の子供に多いのは、この時期が丁度骨が成長していく過程にあり、かつ授業やクラブ活動などで運動量が増える時期でもあるからです。従って骨の成長が止まる17才頃には自然と治るケースがほとんどですが、成人でも捻挫などの外傷で突然発症することもあります。外脛骨障害になりやすい要因としては、偏平足であることや小さめサイズの靴を履いてスポーツをすること、走る、ジャンプする、急に止まったり切り替えしたりする動作の多いスポーツをすることなどが挙げられており、また男性より女性の方が外脛骨障害を発症しやすいことも分かっています。
とは言え前述の通り外脛骨障害は骨の成長が止まることで治まる可能性が高いため、発症したとしても基本的には保存療法で様子をみて、特に治療院では電気治療や患部周囲の筋肉を柔らかくするため、マッサージやストレッチなどの手技療法が取られます。
まとめ
今回は思春期や成長期など骨が成長していく時期にたくさん動くスポーツ選手などによく起こる、外脛骨障害について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、骨が成長していく時期は成長に合わせて始まる体育の授業やクラブ活動などによって運動量があがることが多くあります。
また運動量だけでなく、骨の伸長というのはそれに伴って筋肉や靭帯も引っ張られることで自然とそれらの箇所に負荷がかかっている時期ともいえるのです。よって今回のような外頸骨まわりも、もちろんですが、かかとやアキレス腱などに間接的に炎症が起こることもあり、保護者の方には注意していただければと思います。
外頸骨障害の予防法としては準備運動をしっかりとすることで筋肉を柔軟に保つことも重要ですが、例えば下記のようにお家で出来る骨周りのケアなどもありますから、是非、ためしてみてください。
有痛性外頸骨のケアの方法
では、ここからはこの有痛性外脛骨のケアの方法です。
今回は偏平足の原因になる短腓骨筋の筋膜リリース方法の説明をしていきたいと思います。
腓骨筋というのは外くるぶしの後方を通っています。
外くるぶしの後方を指で押さえて前後に動かすとゴロゴロとしている筋肉があると思います。
ここを筋肉をまたぐように前後にゴロゴロと指でほぐしてもらうだけです。
ローラーなどがある方はこのふくらはぎの横の部分をローラーで転がしてもらっても大丈夫です。
これを最初は1分程度から始めて、出来るようになってきたら3分~5分程度やってみてください。
ここがうまくリリース(ほぐれる)されると有痛性外脛骨の痛みはもちろんですが、足の指がうまく使えるようになるので一度試してみてください。
引用:HK LABO