落ち込む原因は「姿勢」にあった!?悲しいときこそ胸を張ろう!姿勢とメンタルの関係

2018年6月14日

あなたはいつもどのような姿勢で過ごしているでしょうか?

 

前かがみで長時間パソコンに向かっている…

いつも下を向いてとぼとぼ歩いている…

 

このように、姿勢を気にしている方は多いですよね。

姿勢が悪いと、腰痛や頭痛、肩こりなどの体の痛み・不調が引き起こされることが多くあります。

 

しかし、それだけでなく、普段の何気ない姿勢が目に見えない精神的な部分に与える影響も大きいのです。

 

何か悲しい出来事があったとき、頭をガクッと下げたような姿勢になってしまったことはないですか?

心が落ち込むと、自然と姿勢も悪くなってしまうものです。

 

逆に言えば、「正しい姿勢を手に入れることができれば、心も健康に保つことができる」のです。

 

今回は、姿勢とメンタルの関係についてみていきましょう。

気になる方はぜひご覧くださいね。

 

姿勢が悪いとうつ病に!?

米誌『THE WALL STREET JOURNAL』には、Mladen Golubic氏による次のような記述があります。

 

We do know that when you slouch, you project an attitude of depression and low motivation.

‘When you sit up straight, he adds, ‘psychologically, your attitude is better.’

 

訳:前かがみでいる人は、鬱状態やモチベーションの低下を示すことが分かっています。

良い姿勢は、心理的にもあなたの気分を良くします。

 

(引用:Burning Qestion:Why Sit Up Straight?―THE WALL STREET JOURNAL.)

 

この研究結果から、悪い姿勢がメンタル面にも悪影響を与えることがわかります。

 

また、次のような事例も報告されています。

ある心理学者が、うつ病の人たちを観察し、彼らが1日中下を向き、猫背で歩き、無表情で何度もため息をつくことに気付きました。

彼もこの状態を3ヶ月間毎日続けたころ、なんとうつ病に陥ってしまったのです。

健康だった彼がこの状態になったのは、姿勢がメンタル面に影響を与えた結果だといえるでしょう。

 

姿勢が悪いと気分が落ち込む理由①うつ症状の悪化

では、なぜ姿勢が悪いと心まで不安定になるのでしょうか?

 

理由としては、痛みによるうつ症状の悪化が考えられます。

 

悪い姿勢というのは、体に無理な負担をかけてしまいます。

「首猫背」という状態で考えてみましょう。

デスクワークで首や肩がよく痛くなるという方は、首猫背が原因の可能性があります。

 

首猫背とは、頭が前に突き出し、首を中心に丸くなっている状態です。

「ストレートネック」とも呼ばれています。

 

首猫背の原因としては、スマホやパソコンなどが考えられています。

 

頭の重さは、成人で約5kg。

頭が前に出たり、うつむいたりすると、その負担はさらに大きくなります。

ある研究では、首の角度を30度曲げると18kg、60度曲げると27kgもの負担がかかることが明らかになりました。

 

The weight seen by the spine dramatically increases when flexing the head forward at varying degrees.

Loss of the natural curve of the cervical spine leads to incrementally increased stresses about the cervical spine.

These stresses may lead to early wear, tear, degeneration, and possibly surgeries.

While it is nearly impossible to avoid the technologies that cause these issues, individuals should make an effort to look at their phones with a neutral spine and to avoid spending hours each day hunched over.

 

訳:頭を前に傾ければ傾けるほど、脊椎にかかる負担は劇的に増加します。

頸椎の自然なカーブがなくなると、頸椎へのストレスが徐々に増していきます。

これらのストレスは、組織の摩耗や裂傷、変性を早め、外科手術につながる可能性もあります。

このような問題を引き起こすテクノロジーを使わないようにすることは不可能に近いですが、私たちは、頸椎が自然なカーブになるように携帯電話を使ったり、背中を丸めた姿勢で1日何時間も過ごすことは避けたり、努力をするべきです。

 

(引用:Kenneth K. Hansraj『Assessment of Stress in the Cervical Spine Caused by Posture and Position of the Head』)

 

頭が前に突き出し状態のため、見た目が悪くなってしまうのはもちろんですが、それ以外にも、次のようなトラブルを引き起こします。

 

・首や肩のコリ

・頭痛

・眼精疲労

・目のかすみ

・腰痛

 

特に、慢性的な首や肩のコリに悩まされることが多く、そこから頭痛がひどくなることも多いようです。

ひどくなると、首部分にヘルニアを起こすこともあります。

 

そして、うつ病などの精神疾患でも同じような症状がみられます。

つまり、姿勢の悪さによって生じた痛みやコリという症状が、精神疾患で生じた痛みをさらに悪化させるため、うつ病などの症状を重症化させてしまうことにつながるのです。

 

姿勢が悪いと気分が落ち込む理由②太陽光

普段デスクワークで、なかなか外に出ることがないなど、太陽光を浴びる機会が減っている方もいるのではないでしょうか?

 

紫外線を浴びすぎると、シミやしわなどの皮膚の老化だけでなく、皮膚がんを誘発させる危険性もあります。

このような悪影響から紫外線は有害なものでしかないと思われがちですが、人間の健康を保つために欠かすことができないものでもあるのです。

 

最近では、太陽光の紫外線を浴びなければ、うつ病のリスクが高まることが分かっています。

 

太陽光を浴びると、脳内でセロトニンという物質が分泌されます。

これは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、溜まったストレスを解消したり、気持ちの落ち込みを改善したりする働きがあります。

 

悪い姿勢というのは、下を向いて、うつむいている状態です。

このような姿勢では、日光を取り込むことができません。

 

季節の変化に起因する「季節性情動障害(季節性うつ病)」のひとつ、冬季うつ病には、次のような特徴があります。

 

・日照時間が不足する冬場に発症する

・緯度が高いほど発症率が高い

 

このような特徴から、日照量の短さによって引き起こされると考えられています。

 

実際に、北海道や東北、北陸地方、日本海側の地域で、発症する確率が高いようです。

また、日当たりの良い部屋から悪い部屋に引っ越した場合にも発生することが報告されています。

 

日照時間が短くなると、セロトニンの分泌が減るため、脳の活動が低下してしまいます。

うつ病の治療でも太陽光を浴びることが推奨されています。

 

姿勢を良くして自信を持とう!

姿勢がメンタル面に及ぼす影響は、近年の脳科学や心理学で、ホットな話題になっています。

 

マドリッド自治州大学の心理学者ブリニョール博士は、71人の大学生を集め、姿勢が自己評価に与える影響について調べました。

 

この実験は、いたってシンプル。

学生たちは次のようなアンケートに回答します。

 

「将来プロとして仕事をするにあたって、自分の良いところと悪いところを書き出してください」

 

これを、背筋を伸ばして座った姿勢と背中を丸めて座った姿勢で、それぞれ書き出してもらいます。

 

実験の結果、背筋を伸ばした姿勢で書いた内容については、確信度が高いということが明らかになりました。

つまり、姿勢を正すと、自分の出した答案に自信を持てるようになったのです。

 

(参考:潜在“脳力”【35】姿勢を正して取り組むと、自信を持てる―nikkei BPnet〈日経BPネット〉)

 

たった2分でモチベーションを高める!ハイパワーポーズ

姿勢がメンタル面に与える影響については、TED Conferenceでも発表されています。

これは、元アメリカ大統領のビル・クリントン氏や障碍者が感動を与える存在であるかのように扱われる状況を「感動ポルノ」と表現したことで有名なステラ・ヤング氏なども演説を行った世界的に有名な後援会です。

 

この講演会で、ハーバード大学の社会心理学者、エイミー・カディ氏は、ボディランゲージが与える影響を発表します。

 

 

彼女の発表を要約すると、次のようになります。

 

手足を開き、胸を広げた「ハイパワーポーズ」と体を縮こめる「ローパワーポーズ」を2分続ける前後で、唾液中のコルチゾールとテストステロンの量を調べます。

コルチゾールは、ストレスホルモンとも呼ばれ、ストレスを受けると分泌量が増加します。

テストステロンは、モチベーションを高めたり、精神を安定に保ったりする働きのある男性ホルモンです。

その結果、ローパワーポーズをとった人のテストステロンは減少し、コルチゾールが増加したのに対し、ハイパワーポーズをとった人のテストステロンが増加し、コルチゾールが減少したことが分かりました。

 

また、ポーズを続けた後、現金を賭けたゲームを行ってもらいます。

ハイパワーポーズのグループは、86%が賭けに出た一方で、ローパワーポーズのグループは、60%でした。

 

つまり、姿勢を正し、胸を張ると、主張的になり、自信を持てるようになるのです。

 

姿勢を良くするとストレスや痛みに強くなる!?

また、胸を張って背筋を伸ばした姿勢でいる方が、悪い姿勢をとっているよりも、より痛みやストレスに耐える力が強いことも明らかになっています。

 

これは、アメリカにある南カリフォルニア大学のScott Wiltermuth博士らによって発表されました。

博士らは、前述のエイミー・カディ氏の実験結果から、その人のとる姿勢の違いで、痛みやストレスに対する感覚的な変化が生じるのかどうかを確かめるために、次のような実験を行いました。

 

1つ目の実験では、①顎を上げ胸を張って周囲を見下ろすかのような自信満々の姿勢、②普通のまっすぐな視線の姿勢、③猫背でうつ向いてがっかりしたような姿勢のそれぞれ3つの姿勢で痛みに耐える力に変化があるかどうかが調べられました。

その結果、①の姿勢のとき、最も痛みに対するストレス耐性が高く、痛みを感じにくくなっていることがわかりました。

 

2つ目の実験では、ペアの一方の姿勢が、もう1人の痛みの感じ方に、影響を与えるかどうかが調べられました。

そうして、仲間が①の胸を張った姿勢のときのほうが、どちらも、より痛みに耐えるストレス耐性が高まることがわかりました。

 

この結果から、博士らは、悲しいときや苦しいときには姿勢も縮こまってしまいがちですが、こういうときほど、胸を張って、堂々とした姿勢をとったほうが、事態が本人や仲間にとっても、よりストレスに感じられなくなるはずだとしています。

 

(参考:姿勢を良くするとストレスに強くなる!―現代ビジネス)

 

まとめ

いかがでしたか?

 

不安でいっぱいのときや落ち込んでいるときは、まず姿勢を整えてみましょう。

下を向いていたり、猫背になっていたりしているはずです。

 

姿勢を整えることで、メンタルを前向きにできますよ。

 

普段から前かがみでパソコンに向かっている人や下を向いて歩いている人は、特に注意してみてくださいね。

毎日のちょっとした意識で、心も体も健康に保ちましょう。