長時間同じ姿勢はNG!?現代人がなりやすいギックリ腰
さて今回は、経験のない方には未知の領域、経験のある人は二度となりたくないギックリ腰の原因と予防策についてご紹介します。ちなみにギックリ腰になった経験がない方は「ギックリ腰って加齢によるものじゃない?」と思いがちですが、昨今では若者にもその症状が見られます。
一般的にギックリ腰とは、重い荷物を運んでいる最中など日常の何気ない動作の際に「ギクゥウウ!!」と腰に激痛が走り、動けなくなってしまう状態をイメージされると思います。こういった突然発症してしまうギックリ腰を医学的には「急性腰痛」と呼びます。
今回はこの急性腰痛について確認してまいりましょう。
ギックリ腰の原因とよくある要因
実はギックリ腰の原因は、未だに謎のままで、患者の数だけ理由があるといわれています。恐らくの原因は「筋肉や骨」「背骨の周りの軟骨」「椎間板」に何らかのトラブルが起き、痛みが出るとされています。
ギックリ腰に悩まされる患者さんから多く伺うのは「重いものを持ち上げた時」「床に落ちていたものを拾った時」「尻もちをついた時」あるいは「くしゃみをした時」などちょっとした日常の動作に引き金が隠されていることもあるようです。
以下ではギックリ腰の主な原因だと思われるを2つの例を挙げていこうと思います。
持続的に腰回りに負担がかかる
日常生活を送る中で筋肉疲労は避けられません。例えば車の長時間運転、同じ姿勢での作業、長時間に渡るデスクワークといった「長時間同じ姿勢をとる」「同じ動作を繰り返す」ことでも関節や筋肉に疲労が蓄積され、その周辺が硬くなってしまいます。
本来身体はそれを回復するメカニズムを持ち合わせていますが、昨今の私たちの暮らしでは、睡眠不足、栄養バランスが取れない食事、長期の運動不足、などで筋肉疲労が回復することなく徐々に蓄積されていき、ギックリ腰に繋がってしまいます。
その他にも前述したように、長時間同じ姿勢をとることで体の柔軟性が失われ、決まった箇所の骨や筋肉に継続的に負荷がかかることも要因として挙げられます。同じ姿勢でいると、使われている筋肉にはずっと負荷がかかり、使われていない筋肉は少しずつ緩んでいきます。すると筋力のバランスが崩れ、骨格の歪みにも繋がるのです。
歪んだ骨格は左右のアンバランスを生み出し、その周囲の筋肉への負担に変わります。すると身体のバランスを保とうとして、代わりの筋肉にも徐々に筋肉疲労が蓄積され、やがてギックリ腰を招いてしまいます。
急激な負担を腰にかけてしまう
次に腰に急激な負担をかけてしまうシチュエーションを確認しましょう。例えばバスケをしていて高い場所から飛び降りる、ダンスをしていて体を急激に切り返す、野球の場合は止まっている状態からいきなりダッシュする、といった動きは腰に大きな負荷がかかります。
あるいは日常生活の中でいうと、先ほども出てきたくしゃみですね。これも負荷が大きいのですが、くしゃみをすると上半身が激しく動くので動きの中心となる腰に負担がかかります。
その他にもポピュラーなのが「椅子から立ち上がる」といった動作です。同じ姿勢で長時間座っていると身体が固まり、関節を滑らかに動かせなくなります。その時不意に腰を曲げるなど急な動きをしてしまうとギックリ腰になる場合があります。
ギックリ腰を予防するには?
人間にとって腰はとても重要なもので、腰が動かなければ立つことも出来ず、身体を起こす事も出来ません。ですから腰になるべく負担を掛けないように、物を拾う時は膝を曲げて拾うなどの工夫をしましょう。
あるいは重い物を引っ張り出す作業も腰に多大な負担を掛けてしまうので、できれば重いものは引っ張り出すよりも体全体を使って押し出すようにすると腰に負担がかかりにくくなります。
また長時間同じ姿勢で作業しなくてはいけない場合、適度に体をストレッチしたり、時間が空いたら少し散歩するなど、意識的に体を動かすようにしましょう。
ギックリ腰になったらどうしたらいいの?
ギックリ腰を発症した場合、むやみに動こうとせず、楽な姿勢で深呼吸をしましょう。しばらくすると痛みが引いていきます。
しかしギックリ腰になった時の安静は良くないので、動けないほどの激痛でない限り、休むというよりは少し歩くなどの運動をしたほうが早く改善します。
通常ならばぎっくり腰は二週間以内に自然と回復するのですが、それでも改善が見られず、下半身に麻痺や痺れの症状が現れた場合は、別の病気が潜んでいる場合があるので、専門家のもとへ足を運んでください。
まとめ
今回はギックリ腰の症状や原因、予防方法、ギックリ腰になった場合の対処法について確認してきました。
ギックリ腰は、日常生活の何気ない事でも起こりうるもので、主な原因も未だ解明されていませんが、予防策としては腰に負担を掛けない動作を心がけ、こまめに運動をしたほうが良いと思われます。
もしギックリ腰になってしまった場合は、前述しましたように激痛で動けないほどでない限り、出来るだけ歩くなどの軽い運動を行い、早めに専門家に相談しましょう。