絶対にごめんだ!予防したい尿路結石!
漫画やテレビなどで尿路結石によって激痛が走っているおじさんの描写が出ることがあります。そしてそういった場合は往々にして激痛に顔をゆがめている表現が多いのですが、実は尿路結石は出来る位置によってほとんど痛みを感じないという方もいらっしゃいます。
しかし、痛みがないといっても腎機能の低下を生み出したりしますので、やはりいいことはありません。どういった疾患でも同じですが、やはり身体に痛みがあると家事や仕事に影響を及ぼしたり、重症化すると満足に動けなくなったりと望む方はいらっしゃらないと思います。
今回は尿路結石がどのように出来ていくのか、尿路とはどこを指すのか、予防法にはどのようなものがあるのか、などを中心に記事を書いていこうと思います。
それでは始めてまいります。
尿路結石とは?どこにできる?
それではまずは尿路結石そのものではなく、尿路について確認していきましょう。多くの方が尿といわれてイメージするのが膀胱(ぼうこう)からペニスの先までだと思いますが、尿路という言葉はもっと広義を持っていて、腎臓~尿管~膀胱~尿道まで全て合わせて尿路と呼ばれます。
そのため、この中のいずれかに結石が出来るのが尿路結石というわけです。ちなみに結石はどういった成分で出来ているのか、ということですが、腎臓内でシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸などが飽和して結晶を生み出し、さらにその周りにカルシウムなどが付着することで結晶は成長していきます。こちらはご興味の無い方が多いと思いますので詳しくは割愛させていただきます。
いずれにしても、こういった背景で出来た結晶が微細なうちに排出されると痛みはなく無自覚のうちに問題は解決されるのですが、尿路結石は生活習慣や食生活といった要素が絡み合って出来ますので非常に再発率が高くおよそ80~90%は人生のうちに複数回出来てしまうといわれています。
また尿路結石は実は非常に発症率も高く、男性の7人に1人、女性の15人に1人は一生のうち、一度は出来るといわれており、男性は働き盛りの時期、女性は閉経後に多く発症します。ちなみにデータでもお分かりの通り、女性よりも圧倒的に男性によく発症しますが、その理由は解明されていません。
男性の方が女性よりも尿路が長いことが原因である、あるいは尿路結石の発生には食生活が大きく関係しているので欧米化された食事で動物性たんぱく、塩分、糖分といった栄養素を過剰に摂取するようになったから、という見解はありますが、やはり定かではありません。
尿路結石が出来ない身体を作るには?
まずは何といっても水分を多く摂取することが肝要です。なかにはビールをたくさん飲んだら次の日に小さな結晶が出てきた、という事例もありますので、多くの水分を摂取して尿内で結晶が生まれる前に排出してしまうことが一番の予防といえます。
ちなみにビールを引き合いに出してしまいましたが、アルコールを分解するには同量かそれ以上の水分が必要になりますので、アルコールは水分を取りながら飲みましょう。
次に尿路結石の元になるシュウ酸の摂取を控えることも大切です。シュウ酸はホウレンソウ、レタスなどの葉のもの、タケノコ、紅茶、チョコレート、緑茶、コーヒーなどに含まれているので飲みすぎ、食べ過ぎには注意しましょう。
ちなみにビタミンCも体内で代謝されることでシュウ酸を作り出しますのでお肌の健康に気をつかうあまりにサプリメントなどは取り過ぎないように注意しましょう。しかしいくら尿路結石が怖いとはいえ、上記のものをあまりとり過ぎないことは現実的ではありません。
例えばほうれん草は鉄分が多く含まれていることは有名ですし、ビタミンCもフルーツには多く含まれていますし、健康に良いとされる栄養素の代表格です。ですからその場合はそれらの食品と一緒にカルシウムの入った食品を摂取しましょう。
カルシウムは体内でシュウ酸を巻き込み尿ではなく、便として排出してくれます。ちなみにカルシウムが多く含まれている食品といえば魚全般、大豆、緑黄色野菜、煮豆、豆腐、納豆、ピーマン、ニンジン、カボチャなどが挙げられますのでこれらを意識して摂取するようにしましょう。
まとめ
今回は女性よりも男性に多く発症する尿路結石について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、やはり尿路結石を作らせないためには水分の摂取が欠かせません。
昨今では様々なメディアで水分の摂取が呼びかけられていますが、体内・腸内環境を正常化させ、尿路結石以外にも痛風の予防が出来たり、お肌に良かったり、デトックス効果が期待できたりとやはり一日2リットル以上の水分の摂取は良いことだらけです。
たしかに大きなペットボトルを持ちあるくことは邪魔になったり、肩が凝ってしまったり、ちょっと恥ずかしかったり、するかもしれませんが、食後に必ず500ミリリットルの水を飲む、一日の終わりと始まりに決められた量を飲む、など自分に合った方法を工夫して継続的に摂取できるように心がけましょう。