拒食症(神経性やせ症)の特徴と症状

骨折や捻挫といった身体のケガというのはいつかは癒えるものですが、心の病気やそれからくる身体の不調というのはなかなか完治するものではありません。

今回はストレスや周りの環境などが影響して過度にプレッシャーを感じ、いつしか食べ物を食べることが出来なくなる拒食症について記事を書いていきたいと思います。名前は有名ですから多くの方がご存知だと思いますが、重症化すると死亡してしまうこともある危険な疾患です。

けれどもご自身あるいは周りの方に症状が出ている場合は、力づくで問題を解決しようとせず、ゆっくりと快方に向かえるような関わり方をするように心がけましょう。それでは記事を始めてまいります。

拒食症とは

ものが豊かになり、かつ「痩せている=美しい」という基準が定着している現代、心の病気の1つとして良く知られているのが、「摂食障害」です。「摂食障害」とは体重の増加を異常に心配し、恐怖すら感じることから食事に対して極端な行動をとり、日常生活に支障をきたしてしまう疾患のこと。中でも有名なのは、カレン・カーペンターやともさかりえといった有名人も罹患していたという、「拒食症」かもしれません。

「拒食症」とは正式には「神経性やせ症」と呼ばれる摂食障害で、体重の増加に恐怖食事量を極端に制限したり、その反動で突然過食に走りその後嘔吐や下剤の使用で排出して体重の増加を防いだりします。「神経性過食症」も排出行動により体重の増加を防ぐ摂食障害ですが、日常的に過食するのではなく食事制限を基本とし、時折その反動として過食行動に出るというのが神経性やせ症の特徴。

また近年摂食障害の1つに加えられた「回避制限性食物摂取症」も極端な食事制限を行うという点では同じですが、回避制限性食物摂取症が体型や体重へのこだわり、歪みを伴わないのに対し、神経性やせ症にはそれら歪んだこだわりやイメージを伴い、第三者から見れば病的なほどに痩せているにも関わらず本人にはその自覚がなく、むしろ「もっと痩せなければ」という強迫観念に囚われているケースも少なくないのが特徴です。

拒食症の症状

拒食症の身体的な症状としては、まず急激な体重の減少、特に成人の場合BMIが15㎏/m2未満になると重度の拒食症と診断されます。この極度な痩せは低体温や低血圧、不眠、皮膚の乾燥、便秘、無月経などの身体的症状を引き起こします。

更に過食嘔吐を伴う場合は胃酸による歯のエナメル質の損傷、食道の炎症、吐きだこ(吐くために手を口に入れることでできるたこ)なども伴います。更に症状が進むと栄養不良による疲れやすさ、腎不全や電解質異常による不整脈、骨粗しょう症などより重篤な疾患も併発し、最悪の場合突然死の危険性さえあります。

一方、精神面での症状としては、鬱や不安感、食事や見た目に対するこだわりが強くなり、栄養不良による集中力の低下や仕事の能率の低下も見られるようになります。体重の減少で一時的な満足感を得ることはできても根底には自尊心の欠如があるため、永続的な満足感や幸福感を味わうことができません。また周囲の人たちが痩せすぎを心配するものの本人は痩せているとは思っていないことから、家族や友人との関係が悪化してしまうケースも珍しくありません。

まとめ

今回は精神やホルモンバランスなど様々なことが原因で起こる拒食症について記事を書いてまいりました。文中でも何度も触れていますが、拒食症が起こる前の強迫観念というのは病的なものがあり、誰から見ても明らかといえますが、本人の自覚なしに症状は改善できません。

また現状を変える為に何度はなしあってもどうしてもネガティブなワードが多くなったりして、改善が進まないというのも精神疾患の大きな特徴ともいえます。もしも周りに拒食症の症状がでている方がいる時は、以下のような関わり方を参考にしてみてください。

公認心理師の小原さんは、カウンセリングで話すことの効果にも期待したいといいます。

「(話すことのできる)誰か1人目がすごく大変なんですよね。いきなり友だちに話せと言われても難しい。そういう方のために私たちカウンセラーのような専門家がいると思います。カウンセリングでグチグチと話しても何も解決しないと感じることがあるかもしれませんが、グチグチ話すっていう体験がすごく大切なんです。一度、カウンセラーや専門家に話してみると、友だちにも話せるようになり、親にも話せるようになります。まとまりなく、ちゃんと話せなくていいんです。思ってるところから、ぐちゃぐちゃのまま話すということを1度やってみると、それを他の人にもできるようになる。そういう場でもあると思って、カウンセラーを使ってみてほしいと思います。カウンセラーが摂食障害について専門性が高いことは理想ですが、そうでなくても話を聞くという訓練だけはちゃんと受けてますから。そういうのをひとつの案として選択肢として考えていただけるといいなと思います」(小原さん)

引用:NHKハートネット

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/399/