坐骨神経痛の原因の1つ・梨状筋症候群とは
身体の不調というのはいつやってくるかわからないものです。それはもちろん目に見えないウィルスのせいかもしれませんし、突然、事故にあってしまったり、朝起きてみたら首が動かなくなってしまう寝違えなどが明日起こる可能性もあります。
今回はそういった突発的な疾患ではないものの日々、座り続けるような業務に従事されている方に起こりやすい梨状筋症候群という病気について記事を書いていきたいと思います。一見すると座っているだけであれば筋肉は休まっているように思うかもしれませんが、長時間・長期間動かないでいることはそれだけで筋肉を疲弊させてしまうものです。
梨状筋症候群とは
ふくらはぎの痛みや膝の裏の痺れ、お尻の違和感などの症状がみられる場合、それは「梨状筋症候群」が原因なのかもしれません。
「梨状筋」とは左右のお尻にある平べったい形をした筋肉で、骨盤の真ん中にある仙骨と足の付け根を橋渡しするかのようにして付いており、その周囲をお尻の分厚い筋肉(大殿筋)が覆っています。梨状筋の主な仕事は股関節の外旋(外側にねじる動き)や内旋(内側にねじる動き)で、その他にも動いている際の股関節を安定させたり体幹と下肢との安定性を助けたり、衝撃を吸収したりといった働きもしています。
梨状筋の近くには、腰椎や仙骨から出て足の先まで通る長くて太い神経「坐骨神経」があり、通常であれば梨状筋の下を通って骨盤の外に出ているのですが、稀に、数としては10人に1人くらいの割合で、先天的に坐骨神経が梨状筋の間を貫通している人がいます。このようなケースでは梨状筋が過度に緊張すると坐骨神経が締め付けられるため、お尻から足にかけての一部分、あるいは全体に鋭い痛みや痺れ、張りや熱感、締め付け感といった坐骨神経痛の症状が起こるのです。坐骨神経を刺激することで神経症状を引き起こすという点では「腰椎椎間板ヘルニア」と同じなので間違われやすいのですが、腰椎椎間板ヘルニアとは異なり梨状筋症候群の場合腰の痛みは見られません。
梨状筋症候群の原因
梨状筋が強く収縮し坐骨神経を圧迫してしまう原因としては、まず長時間の座位が挙げられます。例えば長時間にわたるデスクワークなどで長く座り姿勢を続けていると、その間に上半身の重さがお尻にかかり、梨状筋を圧迫して負担をかけてしまうというわけです。
また前述の通り梨状筋は股関節の内旋や外旋に関係する筋肉であるため、ゴルフや野球など股関節を捻る動作の多いスポーツや、草むしりなど中腰で長時間行う労働が梨状筋症候群の原因になることもあります。特に座りながら股関節を動かす車の運転は、梨状筋に大きな負担をかけてしまうことになります。
更に常習的な姿勢や骨盤の変形が、梨状筋症候群を招いてしまうこともあります。その代表的なものが反り腰で、反り腰になると骨盤が前に傾くため、梨状筋が本来より引き伸ばされて緊張しやすくなってしまいます。更に成長過程で臼蓋(骨盤と大腿骨の関節部分)がうまく作られない「臼蓋形成不全」により股関節が不安定になると、その不安定性を補うために梨状筋が硬くなります。このため臼蓋形成不全の人も、梨状筋症候群を発症しやすくなると言われています。
まとめ
今回はお尻の筋肉である梨状筋が固まることで坐骨神経痛を引き起こす梨状筋症候群について記事を書いてまいりました。文中にも何度も出てきていますが、梨状筋にかかわらず筋肉というのは使い続けることで疲弊し、硬くなる性質を持っています。
ただ座っているだけであればむしろ筋肉はほぐれると考えてしまいがちですが、動かずに同じ姿勢でい続けることは最も筋肉を疲弊させてしまいます、それを防ぐには下記のようにデスクワークをしている時や休憩にも出来るストレッチを行うことが一番ですので、ぜひ、ためしてみてください。
. 普段のデスクワークなどで背骨を丸めた姿勢により骨盤が後ろに倒れて後傾すると股関節は外旋位となります。持続的に骨盤を後ろに倒した姿勢をとり続けることで梨状筋が硬くなり坐骨神経痛が生じる、といった方が多い印象があります。普段のから座った際に骨盤が後ろに倒れないよう骨盤を起こした座位姿勢を意識することが重要だと思います
この症状は梨状筋症候群?簡単にできるセルフチェック
梨状筋が硬くなることで起こる梨状筋症候群には、サインとなる症状が複数あります。次のような症状にあてはまるなら、梨状筋症候群の可能性も。まずはセルフチェックを行ってみましょう。
<梨状筋症候群のセルフチェック項目>
・腰からお尻にかけて重さやだるさ、痛みを感じる
・脚の一部や全体に、張りや締めつけ感がある
・中腰の姿勢をとると、お尻に痛みを感じる
・太ももの裏側をはじめ、脚の一部や全体にしびれた感じがある
・長時間座っていると、腰やお尻に痛みや違和感がある
・会社や映画館、レストランなどで長時間座っているのがつらい
・ゴルフのスイングのような腰をねじる動きをすると、痛みが出る