悪い寝具とは?寝具と快眠の関係
夜なかなか寝付けない、途中で目が覚めてしまう、寝ているはずなのに目覚めがすっきりしない・・・。こういった睡眠に関する悩みは、睡眠環境、特に寝具に問題があるケースも少なくありません。寝具にお金をかける、あるいはご自分に合った寝具に変更すると多くの方が睡眠に満足感が出ることからもわかるように、寝具と睡眠には大きな関係があります。
今回はそんな寝具と睡眠の関係と悪い寝具について記事を書いていきたいと思いますが、すでに不眠症などを患っている方は睡眠への導入方法を工夫するだけでなく寝具についても一度、考えてみましょう。それでは記事を始めてまいります。
寝具と睡眠の関係
そもそも寝具には睡眠中の「保温」と「良い姿勢」の2つをサポート、維持するという目的があります。というのも、人の体は睡眠中、深部体温を下げて脳と体をしっかりと休息させるため、皮膚から余分な熱を放熱する仕組みになっているからです。従って寝具内が暑すぎると体温が下がりにくくなって睡眠を妨げますし、逆に寝具内が冷えていると体は体温を保つために熱を生産しようとするため、筋肉が緊張して寝姿勢が不自然になったり起床後に凝りを感じたりします。このため寝具は適切な体温を自然に保つことのできる、吸湿性や放湿性、保温性に優れているものが良いとされているのです。
また理想的な睡眠中の姿勢は、立っている状態をそのまま寝かせた状態、つまり仰向けの姿勢と言われており、この姿勢を自然と保つことのできる寝具も理想的な寝具と言えます。同時に人は体の特定の部位が長時間圧迫されて血行が滞らないよう、また体温や寝具内の湿度を調性するためにも、睡眠中に無意識に寝返りをうちます。理想的な寝姿勢を維持している人はこの寝返りの回数もそれだけ少なくなるのですが、それでも通常一晩に20回は寝返りをうつとされていますから、これを妨げるような寝具は不適切な寝具、と言えるでしょう。
悪い寝具とは
例えば、硬すぎるあるいは柔らかすぎるマットレスは、「悪い寝具」の代表例と言われています。硬すぎるマットレスは体が全く沈まないため、肩や背中、お尻などの出っ張った部分に集中して体重がかかってしまい、凝りや痛みの原因になってしまいます。そのうえ仰向けに寝ている状態でも骨のS字カーブに不自然な負荷がかかるため、S字カーブが歪んで立っている時の姿勢まで悪くなってしまう可能性があります。
逆に柔らかすぎるマットレスは体が必要以上に沈み込んでしまうため、体のより重い部分、つまり腰周りに負荷が集中して腰痛になってしまったり、背中から腰に掛けて全体が沈むため広い範囲が圧迫されて体全体の血行不良に繋がったりすることもあります。更には体が沈み込んで寝姿勢が固定されてしまうため、寝返りがうちにくくなるというデメリットまであります。
また掛け布団も不適切なものだと、快眠を妨げてしまいます。例えば重すぎる掛布団は寝返りをうちにくくしてしまいますし、適切な温度や湿度を保つことのできないものは、睡眠中の体温維持を妨げてやはり快適な睡眠を妨害してしまうことになります。
まとめ
今回は睡眠と寝具の関係性について記事を書いてまいりました。睡眠は誰にとっても必要なことではありますが、あまり寝具にはこだわらないという方も多いかと思います。しかし文中にもあるように、ご自身の身体に合わない寝具は腰痛の原因になったり、睡眠不足の原因にもなります。
また昨今ではアルコールを摂取しないと眠れない、ストレスから身体が疲れていても眠れない、など多くの要因から不眠症になる方も多くいらっしゃいます。まずは下記のようにご自身の睡眠時間が適正なものかをチェックして、どうしたら夜になると眠くなれるのか、そしてそれを習慣化できるのかを考えてみましょう。
まず、どの程度、睡眠の量が不足しているかを、次の「睡眠時間不足度チェック」で調べてみましょう。
睡眠時間不足度チェック
起床時は、音の大きな目覚まし時計が必要(あるいは、必ず誰かに起こしてもらっている)
朝、寝床から出るまで苦労する
目覚まし時計の音に気づかず、時々そのまま眠ることがある(あるいは、起こされてもなかなか起きられない)
ビールなどアルコールを少し飲むとよく眠れる気がする
週末など休みの日の前は、いつもより2時間以上長く眠る
時々、以前より気力が無いと感じる
細かな仕事や家事は、以前より手を抜くことが多くなった
時々、知らないうちに居眠りをしている
テレビを見たり、本を読んだりしているときに非常に眠くなったり、居眠りをすることがある
電車、バス等に1時間以上乗車すると非常に眠くなったり、居眠りすることがある
多めの昼食(お酒抜き)を取った後、いつでも非常に眠くなったり、居眠りをすることがある
何らかの集まりや講演会、会議の最中に眠くなることが多い
車の運転中、うとうとして途中で2、3分休憩することがある
日中にコーヒーや紅茶、日本茶などを4杯以上飲む
引用:大阪がん循環器病予防センター