中高年の女性に多い股関節痛・その原因は?

肉体が衰え始めると、一番初めに影響が現れるようになるか、、という話をすると諸説あげられるものだと思いますが、よく聞くのがやはりそしてなどです。しかし、特に女性で妊娠・出産の経験がある方には股関節周りにも気を付けていただきたいものです。

また妊娠・出産をした方に限らず、股関節は歩く、走る、座るなど動くにあたってよく使用される部位でもありますし、偏平足やO脚などといった足の変形によっても影響を受けることがよくあります。もちろん骨盤などの歪みが全身に影響することもあり、やはり身体は全て一つながりで出来ている、というのは正しい見解であるといえます。

今回はそんな股関節に生じる痛みについて原因や具体的な疾患名などを上げながら記事を書いていきたいと思います。それでは詳しく確認していきましょう。

股関節痛とは?

歩き始めや足の爪を切る、靴下を履くなどの動き始めに、足の付け根、つまり股関節が痛むと訴える患者さんも少なくありません。特に中高年の女性に多いのですが、スポーツをしている若い人や産後の女性にも見られる症状です。

そもそも股関節は、骨盤側にある「臼蓋」と呼ばれる丸いくぼみに大腿骨の「骨頭」と呼ばれる先端が丸くなった部分がぴったりとはまった状態になっており、この構造によって足を自由に動かすことができるようになっています。この関節部分には骨同士がぶつかり合わないよう間に軟骨が存在しクッションの役割を果たしているのですが、これが何らかの理由で損傷を受けると骨同士が擦れてしまうことになるため、股関節の痛みという症状が現れるのです。

関節痛の主な症状は前述の通り動かし始めに股関節が痛むというもので、逆に言うと股関節を動かさなければ痛みを感じることはありません。ですから長時間のデスクワークや足を動かすことのない立ちっぱなしの作業であれば痛みは出ない、というケースが殆ど。一方立ち上がる瞬間や歩き出す瞬間は痛すぎてしばらく動けないということもありますし、しばらく歩いていると楽になるものの、更に歩き続けるとやはり痛みだして長距離を歩けなくなってしまうようになるのも、股関節痛の特徴です。

股関節痛の原因

ではなぜ股関節の軟骨が損傷してしまうのかというと、その原因の中で最も多いのが、「変形性股関節症」です。

変形性股関節症」とは少しずつ股関節の軟骨がすり減っていった結果骨が変形し、炎症を起こしている状態のこと。これは先天的に臼蓋が小さいために軟骨が摩耗しやすい場合もあれば、赤ちゃんの頃に布おむつで育てられたために股関節の角度が浅くなってしまって起こるケースもあります。いずれにしても摩耗は徐々に起こるため、中高年になってようやく股関節痛という症状が現れ、変形性股関節症が見つかることが多いのです。

また「関節リウマチ」が原因になっている場合もあります。これは免疫異常疾患1のつで、原因は不明ですが白血球が股関節を包む滑膜組織を攻撃して炎症を起こし、軟骨や骨を破壊してしまう病気です。関節リウマチは通常手首や指のような小さな関節に起こりやすいのですが、まれに股関節のような大きな関節に起こることもあります。

一方、産後に骨盤周囲が不安定になり、それを支えるために筋肉が緊張して痛みを感じたり、ラグビーなど強い衝撃を伴うスポーツで股関節が脱臼を起こしたり、加齢により骨が弱くなって股関節が骨折したりなど、軟骨の損傷を伴わない他の原因で股関節痛が起こることもあります。

まとめ

今回は加齢によって引き起こされる股関節の痛みについて原因となる疾患の例や構造などを元に記事を書いてまいりました。文中にもあるように股関節を始めとする関節は加齢による影響を大きく受けることはもちろん、日ごろもよく使用される機会が多いので、なるべくいつも動かし、柔軟性を高めておくことが大切です。

例えば以下には日ごろから出来る簡単なストレッチ筋トレの方法などをご紹介しますので、痛みが気になる方や将来の予防のために行ってみてください。

おすすめの「手軽な運動」

運動療法は次のように、無理なく毎日少しずつ続けられる手軽な運動で十分です。

おすすめの運動の例

椅子に座りながら足を開閉する

骨盤を意識的に動かす

意識して歩数を増やす

貧乏ゆすりをする

また、股関節まわりを冷やさないようにしたりしましょう。

余裕がでてきたら「筋トレ」も

筋力トレーニングを行い股関節まわりの筋肉を強化すると、股関節の痛みを緩和することができます。

足を肩幅ほどに広げて立つ(足先は気持ち外側に向けて開く)

両手を頭の後ろで組む

正面を向いたまま、呼吸をしながら膝をゆっくり曲げる

膝を曲げたまま、1秒停止する

ゆっくりと、もとに戻る

20~50回ほど繰り返す

※膝を曲げる際、前かがみになり過ぎると、膝や腰に負担がかかることもあります。壁に向かって立ち、両手を壁に当てながら膝を曲げると姿勢が安定し、前かがみになりません。

引用:E-PARK

URL: https://epark.jp/medicalook/hip-joint-pain/#i-2