腰部脊柱管狭窄症の種類と改善法
座りっぱなし、立ちっぱなし、何々をずっと続けることは身体や筋肉にとって大変な負荷をかけることになります。例えば私たちがずっと同じポーズをしていると疲れてくるように人間の身体は座っていても寝ていても実は筋肉を使っているのです。
そういった筋肉の負荷が長期間にわたって続けられると身体には色々な支障が出てくるようになります。例えばわかりやすい所でいえば肩こりや腰痛、どなたでも経験があると思いますが、これらの多くは筋肉が酷使されることで痛みを発生させます。
しかし、単純な筋肉の疲労からだけでなく背骨の内側にある神経が圧迫されることで痛みを発せさせることがあります。今回ご紹介する腰部脊柱管狭窄症などが代表的です。例えば治らない腰痛に日々、苛まれている方は一度、腰部脊柱管狭窄症の疑いがあると専門家に相談してみましょう。それでは記事を始めてまいります。
腰部脊柱管狭窄症とその症状
背骨は椎骨と呼ばれる骨が積み重なって構成されており、椎骨1つ1つには「椎孔」という孔が開いていて全体としてみると首から腰までを通る1本の管のようになっています。この管が「脊柱管」で、この脊柱管の中を脊髄とそれに続く馬尾神経が通っています。ところが加齢や何らかの疾患により骨が変形したり椎間板(椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たす繊維軟骨)が飛び出してしまったりすると、脊柱管が狭くなるので脊髄や馬尾神経が圧迫されてしまいます。これが「脊柱管狭窄症」であり、これが腰部分(腰椎骨)で起こることを「腰部脊柱管狭窄症」というのです。
腰部脊柱管狭窄症の場合、馬尾神経を圧迫することになるのですが、馬尾神経から左右の足に伸びる神経が出ているため、腰部脊柱管狭窄症になると両脚や両足の裏側、お尻周りに痺れが出ます。特に背筋を伸ばして立ったり歩いたりすると脊柱管が狭まって馬尾神経がさらに圧迫されるため、更に症状が強くなり痺れや足のもつれのために長距離を歩くことができません。
このためしばらく前かがみになって休む必要があるのですが、やがて症状が治まるとまた歩くことができるようになります。このように数十~数百メートル歩いては休憩を繰り返すことを「間欠性跛行」と呼び、腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状とみなされています。
また馬尾神経は膀胱の調整も司っているため、症状が進むと排尿障害をおこすこともあります。一方、腰部脊柱管狭窄症により、馬尾神経そのものではなく馬尾神経から左右に分かれた「神経根」という神経の根元が圧迫されることもあります。この神経根は痛みを感じるセンサーの役割があるため、ここが圧迫されると足に強い痛みを感じます。多くの場合左右どちらかの神経根が圧迫されているため、痛みも左右どちらかの足のみに起こることが多く、この点が両脚に症状が出る馬尾神経型との違いです。
腰部脊柱管狭窄症の改善法
先述した腰部脊柱管狭窄症のうち神経根型は数年以内に自然と治ることも多く、保存療法をとれば3ヵ月ほどで良くなります。使用するのは主に神経への血流を改善したり、温熱療法やけん引などの理学療法、脊椎周辺のストレッチ、トレーニングなどのリハビリテーションも併用して改善を図ることが多いです。
腰部に限らず脊柱管狭窄症は神経が圧迫されることが原因で起こりますが、それが背骨の変形によって起こっているのか、あるいは筋肉が凝り固まっていることで起こっているのかは人それぞれですから、やはり日常的に改善・予防するのであればストレッチなどが効果的だといえると思います。
まとめ
今回は腰部の脊柱管がつまり神経が圧迫することで痛みを発生させる腰部脊柱管狭窄症について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、腰部は背骨の終わりであると共に下半身の始まりでもありますから、神経が多く、例えば下半身などに痛みが出ている時は腰部脊柱管狭窄症だけでなく、坐骨神経などが圧迫されている可能性もありますから、痛みやしびれが出ている時は専門家に相談するようにしましょう。
それでは本文の最後に脊柱管狭窄症に効くストレッチを紹介しようと思います。なかなか腰痛が治らないときや違和感がある時には是非、試してみてください。
脊柱管狭窄症におすすめのストレッチ
脊柱管狭窄症に有効なストレッチをお伝えします。脊柱管狭窄症では、腰を反らすとストレスが掛かってしまいます。腰を丸めるストレッチを行うことで、腰椎へのストレスが軽減される効果があります。
仰向けになり両膝を立てます。
両手で膝を抱えて胸の方へ引き寄せます。
その状態で10秒間深呼吸をしてください。
この動きを5回繰り返します。
腰丸める
脊柱管狭窄症におすすめの筋力トレーニング
脊柱管狭窄症に有効な筋力トレーニングをお伝えします。
筋力をつけ、脊柱管を安定させる必要があります。
お尻周りの筋肉強化により、脊柱管へのストレスを軽減する効果があります。
両ひざを立てて仰向けになります。
足の裏で地面を押すように力を入れ、お尻を浮かせます。
この時に腰が反らないように、お腹にも力を入れてください。
10秒キープ出来たら、ゆっくりお尻を下ろしてください。
これを10回繰り返します。
引用:野中腰痛クリニック