膝の靭帯はスポーツ中に裂けやすい!?膝靭帯損傷に注意!!

スポーツをしていると、つまずいてを不意に捻ってしまったり、競技中に相手選手と接触し、膝をぶつけてしまったり、ボールを追いかけていたらゴールと衝突するなど、突然のアクシデントに見合う事もあると思います。

そういった激しい接触やジャンプ、ダッシュなどを伴うスポーツの後に、「膝が落ち着かない」「膝に違和感を感じる」「膝が赤く腫れて痛い」そんな症状が現れたら、膝靭帯損傷を患っているかもしれません。

この疾患は、先ほども申し上げた通り、相手との接触が多い、サッカー、ラグビー、バスケットボールなどのスポーツ選手に非常に多く見られるもので、スポーツ外傷の一つとして分類されています。今回は、そんな膝靭帯損傷に関する膝関節の構造症状予防方法について確認していきましょう。

 

膝関節の構造

では、本題へと入る前に膝関節の構造について、簡単に説明にしていきたいと思います。

膝関節というのは、膝のお皿と呼ばれている膝蓋骨(しつがいこつ)、太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)、(すね)の骨の内側に位置する脛骨(けいこつ)の3つの骨によって構成されています。

これらの骨が上手くかみ合わさっているおかげで、歩行・走行時に必要な地面蹴り込みをが出来たり、直立出来るなど、身体のバランスを支えるのを可能にしています。

この膝関節というのは、蝶番関節(ちょうばんかんせつ)ともいわれています。蝶番とは、開閉するドアについているドアと壁を繋いでいる金具です。ドアを開閉する場合、手前から押すか、手前に引くかの二種類の開け方しかありません。蝶番関節も同様に、一方向だけにしか曲げ伸ばし出来ない構造になっています。つまり、肩・股関節とは異なり、捻じる動作に弱い構造なのです。

また膝関節は骨だけで構成されているわけではなく、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)、後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)と呼ばれる4つ靭帯によって上下左右を支えられて構成されています。普段聞きなれない単語だと思いますので、イメージとしては四本の紐が膝の関節をクロスして支えているのを想像してみてください。

この膝関節を支える靭帯は、強靭なゴムの様な性質を持ち、骨同士をつなぎ合わせ、離れないようにしています。これにより膝の安定、動きの制御をする役割が担えるのですが、この靭帯に伸縮性はほとんど無く、脆く損傷しやすい部分でもあります。

そして、この4つの靭帯のうち、いずれかの箇所に捻り、無理な曲げ伸ばし、あるいは外部要因によるダメージが加わり、いずれかの靭帯が傷を負った状態を膝靭帯損傷と呼びます。

膝靭帯損傷の症状

ではこの膝靭帯を損傷すると、身体には何が起こるのでしょうか?

まず始めに、断裂した患部(靭帯)が炎症を起こし、痛みを引き起こします。その理由は、断裂した体の一部(この場合、靭帯)を修復する為に、たくさんの免疫細胞(白血球)、栄養酸素などが血液に混ざって患部に流れ込まれるからです。

また膝靭帯損傷の場合、膝の可動域の制限や、断裂の影響による膝の不安定感などの症状現れるようになります、しかし先ほどもご紹介した通り、膝は四つの靭帯がクロスして支えていますので、どの靭帯に傷がついているのかによって症状も様々です。

スポーツをしていて膝靭帯損傷の症状がよく現れるのは内側側副靭帯と、前十字靭帯どちらかが多いです。この二つは先ほども申し上げたような膝の無理な捻り、相手選手との接触、練習の積み重ねによって損傷が起こります。

また膝靭帯損傷には、相手選手との接触交通事故など、外部からの影響を受けて発症する外傷性靭帯損傷と、膝を曲げる、伸ばす、捻じるなどの動作が繰り返されることによって起こる疲労性靭帯損傷の2つに分類されるのですが、どちらの原因でも内側側副靭帯や、前十字靭帯が損傷すると、痛みが発症したり、膝ががくがくして落ち着かないといった症状が出ます。

膝靭帯損傷の予防方法

膝靭帯損傷は、膝への大きな負担が、瞬間的あるいは持続的に掛かることで発症します。ですから、膝靭帯損傷を完全に予防するのは難しいですが、出来る限りこの疾患を招かない為にもスポーツ前には、入念にウォーミングアップすることをオススメします。

ウォーミングアップを行うと、身体に巡る血の流れがスムーズになり、緊張している筋肉を解して柔らかくし、体が温まります。その結果、体の関節が柔らかくなり、ケガをしにくい状態になります。

また、正しいフォームでスポーツを行っているかの確認も大切です。間違ったフォームでスポーツを行うと、余計な力が靭帯筋肉に掛かり、各所の負担が増えてケガをしやすくなります。

まとめ

今回は、スポーツ選手に多く見られる膝の疾患の一つである「膝靭帯損傷」に関する膝関節の構造症状予防法について確認してきました。

膝は歩いたり走ったりする時には必ず使用される箇所ですので、もしも損傷し、膝が不安定になると動揺される方がほとんどです。しかし原因を突き止めてキチンと対処できればまたスポーツを再開し、楽しい生活を送ることができます。

もし激しいスポーツを行っているとき、膝に少しでも痛み違和感などを感じましたら、「一時的なものだろう」と放っておかず一度、専門家の下へ足を運び、診断を受けてみてはいかがでしょうか。