風邪よりつらい鼻づまり?蓄膿症!!
一年中健康体で過ごした、そういえば寝込むほどの病気にはここ最近かかってないな、健康診断の結果で不調など見つかったことがない、など病気がちな方から見ると常に健康な方というのは非常にうらやましいですね。
しかし、大抵の方々は季節の変わり目や寒い冬場に薄着でいたり、夏にエアコンをつけて寝てしまったりして一年に一度くらいは体調を崩してしまうものです。中でも風邪は体調不良の代名詞ともいえますが、風邪にかかると熱でぼーっとしたり、身体の節々が痛かったり、起き上がれないほど体力を消耗したり、と嫌なことは色々ですが、中でも鼻詰まりによって呼吸が困難になると本当に苦しいものですよね。
本日はそんな鼻づまりに加えて、鼻腔に異臭を感じる、熱っぽさを感じるなど風邪と似たような症状が長く続いてしまう蓄膿症について記事を書いて行こうと思います。それでは始めてまいります。
蓄膿症ってなにが起こってるの?
最近ではテレビなどでもこの疾患の治療薬のCMなどが流れたりしますので名前をご存知の方も多くいらっしゃると思います。ですが、実際に何が起こっているのか?と聞かれるとよくわかりません。
蓄膿症というのは簡単にいえば鼻の奥で炎症が起こっている状態なのですが、鼻の奥には鼻腔(びくう)と呼ばれる穴が開いており、その上下左右にも副鼻腔という陥没箇所があります。そしてこの副鼻腔に風邪などのウィルスが侵入してそれを免疫が排出しようとして炎症を起こし、それによって鼻づまり、鼻水などを出すことを急性副鼻腔炎と呼びます。
大抵の場合、副鼻腔炎が長引くことはなく、長くても一週間程度で症状は改善していくわけですが、粘膜の働きが悪くなったり、粘膜が腫れ上がる事で鼻腔を塞ぎ、さらに炎症してしまうという状態がずっと続くようになってしまうことを慢性副鼻腔炎、つまり今回のテーマでもある蓄膿症という呼び方をするのです。
つまり風邪で起こる症状が延長している状態なので症状が似ていて当然というわけですね。
蓄膿症が起こりやすい方とその数
次に日本ではどのくらいの人が蓄膿症にかかっていて、どういった人がかかりやすいのか、という話ですが、よくまとまっている以下の引用を確認しましょう。
この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
副鼻腔炎の人は、日本に100万人から200万人いると言われています。そのうち鼻茸が存在するような慢性副鼻腔炎患者が20万人います。好酸球性副鼻腔炎の中等症・重症の人は、20万人の中の10分の1にあたる約2万人です。1900年代には、この病気の人があまり日本にいませんでした。1990年代後半から2000年にかけてこの病気の人が徐々に増えてきました。台湾、韓国、中国など東アジアの国々も最近この病気に罹る人が増えてきました。現在も増加傾向にあります。
この病気はどのような人に多いのですか
気管支喘息の人や、アスピリンなどの解熱剤などで喘息を起こしたりショックを起こしたりするアスピリン不耐症の人に多く起こります。また薬物アレルギーの人にも起こります。気管支喘息を起こすようになってから、好酸球性副鼻腔炎になるのか、もしくは逆に好酸球性副鼻腔炎になってから気管支喘息も起こすようになるのかは、まだはっきりとした結果はでていません。これまでの調査では、気管支喘息が先の人、好酸球性副鼻腔炎が先の人、気管支喘息と好酸球性副鼻腔炎が同時に起こった人は、ほとんど同じ割合であり、それぞれ30%から35%程度です。男性の方が女性よりも多い病気です。
引用:難病センターHP
引用にもありますが、蓄膿症は風邪などのウィルスなどに限らずホコリやハウスダスト、あるいは薬物によるアレルギー反応でも発症しますので、そういったアレルギーをもっていて部屋の掃除をすると必ずくしゃみ・鼻水が出るといった方はマスクをしながら掃除するなど注意が必要です。
蓄膿症の症状とまとめ
本文の冒頭では風邪の症状と似ていると表現しましたが、蓄膿症と風邪の症状で明らかに異なるものもありますので、そちらもご紹介しておきます。
例えば鼻づまり、鼻水、集中力の低下などは風邪でも同様ですが、蓄膿症の場合、例えばほほや眉間といった副鼻腔のある位置に痛みを感じたり、風邪で出るようなさらさらとした鼻水ではなく、粘度が高く、黄色い鼻水がとめどなく出てくる。
あるいはそういった粘度の高い鼻水が喉に垂れて不快に感じたり、それによって声がでない、鼻腔のつまりによって食べ物の味がわからなくなる、生ごみのような異臭を感じる、口臭がきつくなるなどの症状が見られたりもします。
もちろん軽度の場合はそれらの症状が蓄膿症以外の疾患によって引き起こされている可能性もありますが、一か月~二か月という期間、続く場合は専門家に相談することをおすすめします。
特に蓄膿症の症状は動けないほどのものではありませんが、味覚がなくなったり、常に鼻水がでたり、不快な状態が続くことはそれだけでもストレスに感じてしまうものです。我慢せずになるべく早く、改善できるように努力しましょう。