飽食時代の贅沢病?痛風!

日本は飽食の時代であると言われてからとても長い時間が流れました。高度経済成長期を超えて安定期に入ると、誰でも安くておいしい食事が取れたり、比較的安価でお酒が飲めたりと、とてもいい時代になりました。

しかし、必要以上の贅沢は身体にとってはいいことではありません。代表的な疾患で言えば肥満、またそれによる高血圧心臓病、腰痛などの患者さんも増えてきています。今回のテーマである痛風必ずしも肥満の方がなりやすい疾患とはいいがたいですが、贅沢病という意味合いでは同じです。

昨今ではこの痛風に影響されて糖質オフのビールやプリン体が入っていない飲みもののCMなどもよく見かけますので名前はご存知だと思います。それでは痛風のメカニズム注意事項など一緒に確認してまいりましょう。

痛風の症状とは?

冒頭でも触れていますが、よくCMではプリン体カットプリン体カットと言われていますが、結論から述べますと痛風にとって必ずしも敵はプリン体だけではありません。むしろプリン体を擁護した意見を言わせていただければプリン体は肉、魚、甲殻類などに多く含まれている物質で細胞の中心になる核酸(DNA)を構成したり、筋肉を動かす為に必要不可欠な物質です。

またCMでプリン体をカットした飲み物。などというキャッチフレーズの影響で食べ物飲み物から摂取するという印象を持っている方が非常に多くいらっしゃいます。このような言い方をするということは、つまり身体の中で作られる物質なのです。

身体に存在するプリン体のおよそ70%は体内で構成されています、ではいつ・どこで発生してるかということですが、細胞が新陳代謝を行っていることはご存知だと思います。これによって古い細胞は新しい細胞にとって代わられ、使われなくなった細胞は体外に排出されていきます。そしてこの古い細胞こそが身体にあるプリン体なのです。

さらにこのプリン体を含む古い細胞は腎臓にて尿酸という物質に変化し、尿と共に体外へ排出されていくことになります。つまり、よく健康診断の結果で話される尿酸というのはこれの話です。また基本的に尿と一緒に排出される尿酸は、尿が出なければ体外に出られるどんどんと身体に溜まっていき、高尿酸血症を引き起こします。

そしてこの高尿酸血症の状態が長引くと、尿酸が足指、肘、膝の関節などに溜まっていき、最終的に尿酸塩という結晶に変化します。ここからが痛風の症状の始まりで、尿酸塩が関節に溜まっていくと炎症を引き起こし、痛風の強烈な痛みを引き起こすわけです。

痛風になりやすい人の特徴

さて、この痛風ですが一般的なイメージだと肥満の、特に男性に多い印象を持っている方が多くいらっしゃると思います。確かに痛風患者のおよそ60%は肥満、というデータはありますが、尿酸塩が溜まっている状態であれば身体が大きくなくても痛風になることはあります。

それからこういった、生活習慣の不摂生を題材に出すと、運動不足の方に発症するというイメージもあるかと思いますが、これも実はそうとは言い切れません。例えば激しく身体同士が接触するサッカーバスケットボクシングなどの格闘技をしている方にも発症する傾向があります。その理由はすでに出ている通り、古い細胞の蓄積が原因です。

身体の接触が多いスポーツ選手は、うちみ、打撲を始めとしたケガを良くしますのでその分、破壊されて新しく作られる細胞が多く、古い細胞が溜まりやすくなってしまうというわけです。

また、昨今で言えば、女性のダイエットも随分と様変わりしたように思います。以前はダイエットといえば食事制限をするのが中心でなるべく日常生活にジョギングなどの運動を取り入れていくスタイルが多かったように思いますが、最近ではジムでトレーニングを行って、健康に筋肉をつけながら痩せていく方法を取られる方も多くいらっしゃいますね。

この筋肉をつける、という行為の代表格はボディービルダーの方々ですが、実は痛風を患っているボディビルダーというのは非常に多く、行き過ぎたダイエットによって痛風にならないように注意していただきたいものです。

では、なぜボディビルダーは痛風を起こしやすいかというと、まずはスポーツ選手と同様に過剰なトレーニングによって、古い細胞蓄積してしまうこと、それから摂取している食品がトリのささ身など高たんぱく質低カロリーなものが多いこと、加えてより筋肉をきれいに見せるために、普段から水分補給の節制をしていることが挙げられます。

つまり、今回の記事で痛風によくないと言われていることのオンパレードというわけですね。

痛風にならない為に必要なこと

痛風を予防するには原因となる食品アルコールを摂取しない事です。これもCMが影響していますがプリン体はビールに多く含まれているのでビールさえ飲まなければ大丈夫という認識を持っている方が多くいらっしゃいますが、そうではなくてアルコールには少なからずプリン体が含まれていますから、アルコールの節制を行わなくてはいけません。

そして一番大切なのは水分補給です。すでにご紹介している通り、痛風の原因となる尿酸は尿と共にしか体外に排出されることはありません。その為、なによりも水分を多く取り、尿酸を身体にため込まないことが大切です。

まとめ

今回は贅沢病とも言われる現代の病、痛風について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、アルコールの摂取を少なくすることは他の現代病も予防することができますので、是非、気をつけましょう。

また痛風の為だけでなく、水分を摂取することは血液の粘度を下げて心臓疾患や、に関わる病気の予防にもつながりますのでやはり、これも推奨いたします。いつまでも健康で痛みのない生活を送るには普段からの心掛けがとても大切です、注意するにこしたことはありませんね。