なぜここが痛いの?足底腱膜炎!!
世の中には全く原因がわからないものや、原因がわかり始めているけれど解決方法が見つかっていないなど現代の医学でもよくわかっていない疾患というものが数多く存在します。
身近なものでいえば腰痛もその一つで、日本人が気にする身体の不調として挙げられる肩こりと肩を並べるほどに多くの人が悩んでいるにも関わらず、およそ80%の腰痛は原因がよくわからない痛みと判断されています。
また同様にあまり身体に詳しくない方からすると何もしていないのになぜここが痛くなるのか?と疑問に思う痛みも数多くあり、今回、ご紹介する足底腱膜炎もその一つといえるでしょう。それでは詳しく見ていきましょう。
足底腱膜炎ってどんな病気?
簡単に言えば足の裏には足指の付け根からかかとにかけて足底腱膜という薄い膜が張ってあるのですが、その足底腱膜上のいずれかの場所が炎症を起こして痛みを発生させる疾患です。
初期段階では大した痛みはありませんが、寝起きの一歩目や歩くとき、あるいはスポーツ後に痛くなることがあります。しかし、重症化すると痛みが慢性化し、中には半年~一年以上も治癒しない難治性足底腱膜炎になってしまうこともあるので、違和感や痛みがあった時は安静にして様子をみて、治りが遅いようであれば専門家に相談するようにしましょう。
ではこの疾患はなにが原因で、どのような方に多く発症するのか、以下の記事を確認しましょう。
足底腱膜は踵とつま先の間に弦のように張っており、衝撃吸収をしているとされています。ランニングや体重増加などで足底腱膜に多くの負担がかかると、かかとの付近で小さな損傷が起きます。損傷がすぐに治癒すれば症状は起きませんが、年齢を重ねると治癒が遅れて治りきらない状態になります。傷が生じると生体の反応として血管を増やしますが、血管と神経は対になって一緒に増える性質があるため、足底腱膜のかかとの部分には普段は認めないような異常な血管と神経が増加して過敏な状態になり、するどい痛みの原因となってしまいます。
(中略)
足底腱膜炎のリスク因子(この項目が当てはまると足底腱膜炎になりやすい)としては
1.年齢 40歳から60歳がもっともなりやすいです。
2.ランニング、バレエダンス、エアロビクスなどの負担
3.偏平足もしくは反対にハイアーチ(土ふまずが高すぎる)
4.肥満
5.硬い地面に立ち続ける仕事内容(工場労働や教師など)
足底腱膜炎ってどんな病気?~その2~
先の引用からもお分かりいただけるように足底腱膜炎は捻挫や骨折のように外部からの衝突や捻転(ひねること)ではあまり発生しません。ではどのような状況で発生するかというと例えば運動不足で肥満体の方がいきなり長時間のランニングをしたり、運動し始めの方が筋肉痛になりながらも毎日ランニングを続けると起こります。
例えばここに適正体重70キロの方がいたとしましょう。そして普段の運動不足と暴飲暴食でその方の体重が80キロになったとします。そこから一念発起してダイエットをしようとランニングをしますが、70キロの印象のまま何キロもランニングをすると膝や腰、あるいは足底腱膜をケガしてしまうことがあります。
これは簡単な理由で10キロもの重りを持ちながら準備運動もしないで走っているからですね。あるいは一日目は順調に走り終えたとして、次の日、ふとももが筋肉痛のまま同じ距離を走ろうとするとやはり足底腱膜炎になる可能性があります。
つまり、なにが言いたいかというと骨格と同様に足底腱膜は適正体重を支えるように出来ているので、重量が増えたら負荷を支えきれませんし、ふともものような大きな筋肉が筋肉痛で硬くなっているとかかとの牽引力(引っ張るチカラ)が多くなってしまうのです。
細かくは割愛させていただきますが、ふとももの筋肉はふくらはぎの筋肉と繋がり、アキレス腱を通って、最終的にはかかとの骨につながっています。また筋肉は疲労すると硬くなる性質を持っており、ふとももが筋肉痛になって筋肉が縮こまっているとその負荷はアキレス腱やかかとに集中し、それらを必要以上に引っ張ってしまうことで足底腱膜炎となるのです。
まとめ
今回は足の裏にある足底腱膜に炎症が起こる足底腱膜炎の症状や原因について記事を書いてまいりました。冒頭にもありますが、ランニングをしていただけなのに腰でも膝でもなくて足の裏が痛くなるというのは少し意外かもしれませんが、人間の身体は一つながりで出来ていますのでいずれかの箇所の不調(筋肉痛)が他の箇所に影響を及ぼすこともあるのです。
他にも肩こりがひどく、肩や上半身のストレッチをしていてもなかなか改善しない場合、原因は肩そのものではなく、背中や腰のコリが影響を及ぼしている、なんてこともありますので、もしも身体の不調が自助努力でなかなか改善しない場合はお気軽に当院までご相談ください。