ストレスによる不調はここにも?過敏性腸症候群!
日常生活の中での緊急事態というと、例えば犯罪に巻き込まれたり、財布や携帯が盗まれてしまったり、といったことが頭に浮かびますが、人によってはバスや電車のなかで急にお腹が痛くなってしまうことも一つの緊急事態ですよね。
元々、お腹がゆるく朝に牛乳などの乳製品を取ると必ずお腹を壊すという方もいらっしゃると思いますが、今回は後天的なストレスからくる消化器疾患、過敏性腸症候群について記事を書いてまいりたいと思います。
最近では突然の下痢や腹痛を止める市販薬も登場していますので、名前をご存知の方も多いと思いますが、この疾患は重症化すると10~30分ほどの短い間隔で腹痛の症状が現れ、通勤・通学・移動に影響を及ぼす疾患です。
それでは詳しく見てまいりましょう。
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群とは腹痛を伴う、下痢、便秘あるいはその両方が半年以上も続く疾患です。冒頭でも触れていますが、日本でも市販薬が出たりして名前が知られるようになりましたね。しかし、この疾患はまだ原因の全容が解明されたわけではなく、多くの情報ではストレスによるものという見解がほとんどです。
確かにストレスは万病の元とも呼ばれており、頭痛、腰痛、肩こり、内臓不全、精神疾患などを引き起こしたりもしますが、この過敏性腸症候群の場合、ストレスによって乱されているのは自律神経だと考えられています。
自律神経という言葉も昨今では一般になりましたが、簡単にご説明すると私たちが普段、自分の意志で行っていない身体の活動を制御する神経で、心臓を動かしたり、体温調節を行ったり、睡眠導入を行ったり、恥ずかしかったり、緊張したときに発汗するなどといった事も自律神経がコントロールしています。
そのため、自律神経が乱れると上記のような活動がうまく行えなくなり、不眠症、発汗異常などの症状が現れるわけですが、これと同様に自律神経は排便機能も司っているのです。また自律神経の乱れを引き起こすのは多くの場合、ストレスが原因ですので、やはり過敏性腸症候群も原因はストレスであると考えられているのです。
過敏性腸症候群の症状は?
これまで見てきたように主な症状は腹痛と排便異常です。日本では男女ともに30代~40代に発症することが多い消化器疾患で排便異常によって専門家に掛かるおよそ二割~三割の方々はこの疾患であるとみられています。
またそれ以外にも下腹部よりも上腹部、つまりみぞおち付近にキリキリとした痛みや鈍い痛みを感じたり、お腹が張る、不快感を感じる、突然排便がしたくなるといった症状が出る方もいらっしゃいます。
ここで注意点ですが、上腹部に痛みを感じる疾患というのは過敏性腸症候群以外にも胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性膵炎、肝硬変、胆石症など大変多くありますので緊急時を除いて市販薬で痛みや下痢を抑え続けることはお勧めできません。
身体の関節の痛みなどもそうですが、初期症状が出る疾患というのは初めの痛みが小さいので無理をしてその環境に慣れ、放置してしまうケースが大変多くありますが、どういった病でも重症化すると改善が困難になっていきますので、早めの対処を心がけましょう。
過敏性腸症候群を予防するには?
この疾患は過度なストレスや緊張、あるいは不安な気持ちをいつも抱えていることで重症化することが判明しています。過敏性腸症候群と診断され、電車やバスに乗る時、またあの痛みや便意が襲ってきたらどうしよう。という不安はさらに心配していた事態を引き起こしてしまう可能性がありますので、例えば市販薬を買っておく、乗る前にトイレによる、またはなかなか席が外せないオフィスにいる場合はトイレに行くことは恥ずかしくないという心持ちで仕事をすると良いと思います。
しかしその際は自分の現在の状況をきちんと周りに説明することが大切です。何もいわずにトイレばかりいっていると彼・彼女はサボりに行っていると言われてしまうかもしれません。
しかし問題はこの疾患は自分の気持ちを口に出せない、という人に現れる傾向があり、そういった方はいきなり症状を説明するのではなく、過敏性腸症候群という疾患があることを周りに知らしめた上で、自分にも発症してしまった、という風にちょっと遠回りな言い方をすると丸く収まるかもしれません。
まとめ
今回はストレスや不安な気持ちによって引き起こされる過敏性腸症候群について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、内臓の痛みや不調は素人目に見ただけでは病名を特定できないものがほとんどです。
症状に合致していたとしても他の疾患やストレスや不安な気持ち以外で発症していることも考えられますし、内臓疾患や消化器疾患に関わらず身体に現れる不調は大変多いので、自己判断ではなく一度だけでも専門家に相談するようにしましょう。
過敏性腸症候群だけでなく膝やヒジ、腰痛、肩こり、などにお悩みの時はお気軽に当院までご相談ください。