子供の違和感に注意!野球肩!
スポーツが大好きというお子さん、大変多いと思います。子供の頃には自分の実力もメキメキ上達したり、周りのお友達と一緒に遊んでいる感覚であったり、単純に身体を動かして汗をかくのが気持ち良かったりと、始めたり続けたりする理由は様々です。
しかし、どんなスポーツにも面白みがあるのと同じようにスポーツ特有のケガをしやすい部位というものも存在します。例えば卓球をする方は腰を痛めやすかったり、ゴルフならば肘、フルコンタクトの格闘技であれば生傷はもちろん、人との接触によって色々なケガをしやすいのはよくお分かりいただけると思います。
そういったスポーツによって起こるケガを一般的にスポーツ障害という言い方をしますが、今回は野球選手、特に成長期に野球をしている方によく起こる野球肩について記事を書いていこうと思います。
特にこの時期のお子さんというのはまだケガで痛い思いをしたことがない方も多く、悪い意味でケガに対する恐怖心がないので、予防のストレッチをしっかりと行うなどに、注意が必要です。それでは詳しく見てまいりましょう。
なにが起こるの?
これは野球で必ず行われる腕を振り上げてボールを投げる動作を何度も行うことによって筋肉や靭帯、腱などが炎症を起こしたり、断裂して痛みを発する不調の総称です。
総称という呼び方をするのには訳があり、ご存知の方のほうがおおいと思いますが、肩というのは上下左右に動かすことが出来る自由度の高い関節なのですが、その分、構造は複雑に出来ていて、その中の一部に痛みがある状態でも野球に関係していれば野球肩という呼ばれ方をするからです。
その原因になるのが例えばインピジメント症候群、これは先ほどのように野球の投球フォームで肩を使うことで肩の上にある骨(肩峰:けんぽう)と間にある靭帯が上腕骨頭(二の腕の骨の先端)に挟まれることによって炎症を起こし、痛みを発生させる疾患です。
次に上腕骨近位骨端線離開(じょうわんこつきんいこったんせんりかい)、通称リトルリーグショルダーとも呼ばれ、15歳未満の成長期の野球選手にみられるケガです。成長期が終わると私たちの身体は徐々に硬くなっていき、また身体もがっしりなっていって成人のそれに近づいていくわけですが、成長期の子供の骨は両端に骨端線(こったんせん)という軟骨をもっています。
成長期とは身体が全体的に伸びたり、大きくなるのではなく、まずはこの骨端線から骨が伸長していき、それに引き伸ばされるように靭帯や筋肉が伸び、そしてこの骨端線は役目を終えると周りの骨と同じように硬くなっていきます。
そしてその成長過程において、投球フォームを繰り返すことによって、この骨端線が離れてしまったり、それによって炎症をおこす不調がリトルリーグショルダーです。
野球肩を予防するには?
これには様々な方法が考えられます。例えば投球フォームの改善、投球の練習をしていて肩に違和感を感じた場合はすぐに指導者に相談の上、自分にあったフォームであったり、練習のしすぎを指摘された場合は、すぐに安静にして痛みが引くまで待ち、それから改善方法を探るのがよいでしょう。
冒頭にもありますが、成長期のスポーツ選手はまだ自分の限界がよくわかっていなかったり、自身の投げ方の癖やケガに対する恐怖心の少なさからどうしても無理な練習量や無理のある投球フォームになってしまいがちです。
あるいは筋肉量を増やすトレーニングを行ってみてもいいと思います。すでに文中にもありますが、肩の構造は非常に複雑で可動域が広い反面、ケガもしやすいと言えますが、例えば靭帯が少し損傷していてもわずかな違和感を感じるのみで痛みはない、という方も多くいらっしゃいます。
これは靭帯の損傷を他の組織や筋肉が補っているからです。つまり、筋肉量の増強は肩への負担を軽減して、野球肩になってしまうのを防いでくれます。しかし、先ほどと同じようにやり過ぎは厳禁です。しっかりと指導者の指示に従って行うようにしましょう。
まとめ
今回は成長期の野球選手に多い、肩の疾患、野球肩について記事を書いてまいりました。文中でも触れているように野球に限らず成長期のスポーツ選手は練習をやり過ぎてしまう傾向がありますので、周りの大人が注意したり、ケガが軽度のうちに専門家にかかれるように配慮してあげましょう。
それでは最後に筋肉量の増量と同様、身体の安定感をよくして、パフォーマンスをよくすることが出来る体幹のトレーニングについて書かれているサイトを引用して終わりたいと思います。
体幹のストレッチを行ってみましょう!
今回のストレッチは胸の前側に位置する小胸筋と、体幹の脇に付着する腹斜筋のストレッチを同時に行います。このストレッチを行うことで肩甲骨と体幹の動きを効果的に改善します。それにより投球時の肩の負担を軽減することが目的です。
まず投球側(利き手側)を上にして床上で横向きになります。
上の足を股関節・膝を直角に曲げてベッドにつけます。この際両手は胸の前で肘を伸ばして重ね合いましょう。
息を吐きながら投球側(利き手側)の胸を開くように体を後ろ側へ捻っていきます。
投球側(利き手側)の手がベッドに触れることができれば柔軟性は合格です。
また、この時に投球側の手が同側の肩の高さより低くならないように注意しましょう。
5秒5回1セット行いましょう。ストレッチで左右差を感じる場合は硬い方をもう1セット多く行いましょう。
引用:フィールドフォース