自分の身体を傷つける自己免疫疾患の一種、関節リウマチとは!?
我々の人体には様々な機能が備わっています。私たちが普段意識しないでも心臓が動いたり、体温の調節、発汗などを勝手に行う自律神経、あるいはケガをすると自動的に身体が反応して患部を治そうとする自己治癒能力。
そして今回のテーマでもある免疫です。私たちの身体に入るものは健康にいいものだけとは限りません、時には細菌やウイルスといった身体の不調の原因にもなる物質が身体の中に入ってきてしまう時もあります。
そんな時、それらのものと戦い、私たちの身体の健康を保ってくれるのが免疫細胞です。しかし、時にそれらの免疫の調子がおかしくなり、自分たちの身体に攻撃を始めてしまう場合があります。それが今回ご紹介する「関節リウマチ」です。
それでは一緒に確認してまいりましょう。
関節リウマチとは?
冒頭でも触れた通り、関節リウマチは免疫細胞が混乱して自分の身体を傷つけてしまう疾患です。それではまずこの免疫細胞について少しご説明しようと思います。
例えば「風邪」をひいてしまった時、発熱や鼻水が出たり、のどの腫れ、咳きなどがでますが、これらの症状は免疫細胞が風邪のウイルスと戦っているために起こります。
ちなみに風邪のウイルスで代表的なものはライノウイルスと呼ばれるものでおよそ半分以上の風邪はこのウイルスによって引き起こされているといわれています、なおそういったウイルスや細菌など身体の外部から侵入してくる外敵を「抗原」そして免疫細胞を始めとするそれらに対抗する物質を「抗体」と呼びます。
抗体は白血球から作られ、外敵を発見するとそれらを攻撃して身体の外へ排出する機能を持っています。そしてそれらの抗体に異常が起こり、自身を攻撃してしまう疾患を総称して「自己免疫疾患」と呼んでいます。今回のリウマチもこの自己免疫疾患の一つです。
関節リウマチの症状は?
関節リウマチでよく起こる症状は朝、起床すると身体にこわばりが見られたり、膝に水が溜まって痛くて動かせない、などの症状が多いです。
特に膝に限らず関節が痛むことが多いのですが、これは免疫細胞が関節の「骨膜」という組織を攻撃してしまう事によって起こります。この骨膜を説明するにはまず関節の構造を知る必要がありますのでそちらも確認しましょう。
当たり前の話ですが、骨はとても硬い物質です。そしてその骨同士をつなげることで私たちは自由に身体を動かすことが出来ます、これがもしも一本の骨で出来ていた場合、ロボットのような動きしかできません。
そしてその硬い骨同士が常にぶつかりあっていたら骨は削れてしまいますし、痛くて身体を動かすことは出来ません。そこで骨の間に軟骨が存在するわけです、この軟骨がクッションの役割を果たすので痛み無くスムーズに身体が動くことができます。
軟骨はおよそ80%が水分とコラーゲンから作られていて、よりスムーズな動きができるように弾力性を持っています。そして軟骨の外側にはさらに骨膜という薄い膜があり、ここから粘りと弾力性のある骨液という物質が分泌されます。
この骨液は関節へ流れ、関節液となって潤滑油の働きをしたり、酸素や栄養素を軟骨に運ぶ役割を持っています。
話はリウマチに戻りますが、免疫に異常が起きるとこの骨膜が攻撃され、骨液を異常に分泌するようになります。その結果、関節は炎症を起こし、腫れあがってしまい、さらに骨液が増えることで膝に水が溜まるという状態に陥るのです。
さらに炎症が起こると発痛物質と呼ばれるサイトカインやプロスタグランジンが分泌されるのですが、骨膜には多くの神経が集中しているのでこれらの発痛物質が神経に触れたり、肥大化した骨膜のむくみによって神経が圧迫されることで痛みが発生します。
関節リウマチの症状を改善するには?
リウマチという言葉を知る機会はたくさんありますが、一番、このワードを目にするのは温泉の効能として記載されている場合が多いのではないでしょか。先にも触れた通り、リウマチは骨膜の炎症によってその痛みが現れる場合が多く、温泉に浸かることで温熱効果が発揮され、炎症が鎮まり、さらに温めることで関節が柔らかくなり痛みが引くと言われています。
また、その他に食事療法も効果があります。関節リウマチを始めとする膝に痛みが現れる疾患は多くあり、痛風、変形性膝関節症などでも膝の痛みがあります。
そんな時、積極的に摂取したい栄養素はコンドロイチン、グルコサミン、たんぱく質などです。これらの栄養が多く含まれる食品はコンドロイチンならば、鳥の皮、ヒラメ、フカヒレ、納豆、なめこ、オクラ。そしてグルコサミンはカニやエビなどの甲殻類、ウナギ、イカ軟骨、キノコ、オクラなどに多く含まれています。
またたんぱく質を摂取るするなら肉よりもウナギ、鮭、サバ、イワシ、サンマ、マグロ、といった魚類のほうがオメガ3脂肪酸と呼ばれる関節痛を和らげる成分が入っているのでおススメします。
まとめ
今回は免疫細胞の異常によって、主に関節にある骨膜が攻撃を受けて膝の炎症、肥大化、変形などを引き起こす関節リウマチについて記事を書いてまいりました。
関節リウマチは徐々に身体を蝕んでいく進行性の病と言われていおり、明確な治療方法は確立されていません。さらにいえば、今回ご紹介したような改善法の効果も個人差が大きく、中にはリウマチと一生付き合っていかなくてはならない。という方もいらっしゃいます。
また食事療法や温熱効果の他に整体やマッサージによって膝の痛みを和らげる方法もありますので、どうしても改善しない膝の痛みを抱えている場合はお気軽に当院にご相談ください。