原因の分からない首・片・腕の痛みや感覚異常!頚肩腕症候群とは?

世の中には挙げだせばキリがないほどに様々な種類の仕事が存在しています。もちろんその中には昔から続く伝統的な仕事などもありますが、昨今、増えているのはやはりパソコンを使った事務作業であったり、WEBの開発などインターネットに関係する仕事だと思います。

もちろん、先に出たような伝統的な仕事においても最近はパソコン作業が導入される傾向がありますので、昨今でなにかしらの仕事をする場合には必ず必要なものだとも言えます。またパソコンと共にスマホも一人に一台、持っているのが当たり前という時代になり、仕事・家事・趣味・休憩などの時間には必ず画面を見ているという方も多いのではないでしょうか。

今回は特にパソコン作業する時のように前かがみの姿勢をいつも取っている方に起こりやすく、肩や背中に不調をもたらす頚肩腕症候群について記事を書いていこうと思います。それでは確認していきましょう。

頚肩腕症候群とは?

頚肩腕症候群」とはその名の通り、首や肩、腕に感じる痛みや痺れなどの感覚異常のことですが、中でも本人にこれといった原因が思い当たらずレントゲンやMRIなどで検査してみても器質的な異常が見つからない場合に、この名称が付けられます。

かつては「変形性頚椎症」や「頸椎椎間板ヘルニア」などもこの「頚肩腕症候群」の中に含まれていたのですが、これらの疾患の器質的な原因が解明されるようになってからはそれに基づいた病名が付けられるようになり、一方で本人に強い自覚症状があるにもかかわらずそのような目に見える原因が見つからない場合を、「頚肩腕症候群」と呼び分けるようになったのです。

頚肩腕症候群は器質的原因のない首や肩、腕の感覚異常の中でも、特にいわゆる「職業病」の範疇に入るものを指して呼ぶことが少なくありません。これは作業が機械化され人の労働が腕や指先を使う単純な繰り返し作業になっていったためで、こうして気づかない間に少しずつ蓄積されていく筋肉疲労や神経・血管の圧迫により、痛みや痺れなどの症状を感じるようになる人が多いのです。

頚肩腕症症候群の原因

頚肩腕症候群を引き起こす最も大きな要因は、前述の通り繰り返し作業による「使い過ぎ」、つまり特定の筋肉の過労です。例えば長時間にわたるパソコン作業やキーパンチ作業などで毎日指の筋肉を使い続けていると筋肉が疲労しはじめ、それでも尚酷使し続けていると痛みや凝り、痺れなどの症状が現れるようになります。またそのようなデスクワークは頭が肩より前方に出ている姿勢になりやすいため、実際にはボーリングの球ほどの重さがあると言われるを支えようと首や肩の筋肉も緊張し、肩凝りや張り、痛みなどを感じるようになります。

またじっと長時間、特定の姿勢を取り続けていることも頚肩腕症候群を引き起こす要因となります。これもデスクワークやあるいは工場内の流れ作業をしている人に多いのですが、そのように特定の姿勢のまま他の筋肉を全く使わないでいると、血液の流れが悪くなり筋肉は委縮して硬くなってしまいます。これを「静的緊張」と呼ぶのですが、この静的緊張が起こると血行不良により酸素や栄養素が行き届かなくなり、老廃物も排出されにくくなるため疲労物質が溜まっていくのです。

このように特定の筋肉の使い過ぎと他の筋肉の使用不足、つまり筋肉アンバランスな使い方が原因となって起こるのが、「頚肩腕症候群」というわけなのです。

まとめ

今回は主にパソコン仕事など前かがみになって作業を行うような仕事に疲れている方に多い、頚肩腕症候群について記事を書いてまいりました。文中にもあるように肩や背中などの筋肉は疲労を蓄積することで日常生活に影響を与えてしまうようになります。

もちろん仕事をしない、あるいは変えるという選択肢はなかなか取れないものですから、日常的に一時間に一度はパソコン画面から目を離して目の奥にある筋肉を休めたり、立ち上がってストレッチを行うことでかなり筋肉の疲労は軽減されていきます。

またパソコン作業をする際の姿勢というのもとても重要です。例えば以下のようになるべくきれいな姿勢で座ることなども意識するようにしましょう。

最近はスマートフォンやタブレット端末を使い、仕事をする人も増えた。特にスマホはパソコンより画面が小さいため、田中教授は「猫背で前かがみになり、画面を食い入るようにして作業することが頸椎にダメージを与える」と注意喚起する。本来は緩やかにカーブしている頸椎が、こうした姿勢になると不自然な格好になり、筋肉が疲労しやすくなる。

田中教授が勧めるのが姿勢の改善だ。画面をのぞき込むような猫背の格好で作業するのは頸肩腕に負担がかかる。これを避けるため、専用スタンドに端末を置き、目線の高さに画面が来るように調整する。椅子に深く座り、画面を操作するときは腕を机の上に乗せて肘掛けも使う。これだけでも正しい姿勢に近づく。

田中教授は「痛みが続くと、仕事に集中できなくなり、日常生活にも支障を来す。職業病に対応する産業医を受診し、仕事場での姿勢など環境改善をアドバイスしてもらうのもいい」と話す。

引用:ヘルスUP 病気・医療

URL: https://style.nikkei.com/article/DGXKZO56637930Q0A310C2KNTP00/?page=2