原因不明の首・腕・肩の痛みや痺れ!頸腕症候群とは

医学の進歩というものは目覚ましいものでありますが、ぎっくり腰など筋肉の疲労で起こる痛みであったり、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れなど、骨折や身体の変形などではない痛みというのは原因がなかなか見つからないものです。

事実、腰痛の8割が現代においても原因がよくわからないといわれています。今回はそういった原因がよくわからないけれど身体に痛みが出る頚腕症候群という疾患について記事を書いていきたいと思います。この疾患は簡単に言えば腕や肩などに痛みやしびれが起こるもので、日常的な習慣がその原因になっているということはなんとなくわかっていてもキチンと判明しているわけではありません。

しかし反対にいえば日常的な習慣を正せば改善が進む可能性も高く、当記事を読まれてご自身にあてはまるという方は改善に向けて努力するようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

頚腕症候群ってなに?

頸腕症候群(けいわんしょうこうぐん)は、首(頸部)と腕(上肢)、あるいは肩などに凝り、痛み、腕のだるさ、腕や手の冷え、脱力感、首が回らない、腕をある程度の高さ以上に挙げようとすると痛みや痺れを感じる。などの症状を引き起こすものの総称です。

冒頭にもあるようにきちんとした原因が判明していないので、原因はよくわからないけれど先のような症状が起こる場合を頚腕症候群というように呼びます。例えば一般的なものでいえばコンピュータ作業やデスクワーク、スポーツなどで同じ動作を繰り返し行うことで、筋肉や腱、神経に負担がかかり、痛みや炎症が起こる場合がありますし、他にも頬杖をつく癖のある人や、重いショルダーバッグやリュックを長時間持つ人、美容師やテニス、ゴルフなど手や腕を酷使する仕事・スポーツをしている人も、頸腕症候群を発症しやすい傾向があります。

その他にも例えば具体的な病名でいえば頸部頸椎症候群などのように頸椎が変形あるいは変性してしまって、頸椎の椎間板や関節の退行性変化、骨棘の形成などにより、頭痛、首の痛み、肩こり、腕のしびれが起こります。あるいはよく知られているヘルニアなどでいえば、頸椎の椎間板が圧迫されたり損傷したりすることで、神経根への圧迫や炎症が起こる頸椎椎間板ヘルニアなどによってやはり先と同様の症状を生み出すこともあります。

頚腕症候群の改善方法

続いて改善方法ですが、まずはじめに筋肉の特性についてご説明します。筋肉を使用するというと私たち動いたり、走ったり、何かを取るなどの行動する時を想像しますが、実は動いていない時、例えば睡眠中、椅子に座っている、ずっと立っているなどの時であっても決まった筋肉を使用しています。

その結果、長い間、同じポーズをしていると疲れてしまうようにデスクワークなどでも腰やお尻の筋肉を使っていますし、特にパソコンやスマホなどは長時間見続けることが多く知らない間にいずれかの筋肉を酷使していることにつながります。

ですから先のように頚腕症候群は原因がわからないものも多くありますが、一般的なものでいえばやはり姿勢の悪さや日常的な習慣を改善することがいいと思います。姿勢が悪い方は意識的によい姿勢を取ったり、骨盤のゆがみやO脚になっている方はそれらを改善し、あるいは日常的に運動をしないという方はご自分ができる範囲の運動を考えてみましょう。

まとめ

今回は日常の生活習慣や悪姿勢によって肩、首、腕などに痛みやしびれがおこるようになる頚腕症候群について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、日常的に正しい姿勢をとったり運動をおこなうことは当疾患を予防するだけでなく、ドーパミンなどの快楽物質によってココロも穏やかにすることができます。

以下には簡単にできる首のストレッチなどを引用しみようと思いますので、気になる方はぜひ、お仕事や家事のスキマ時間などに試してみてください。

肩こりが楽になる! 肩甲骨ストレッチ

遠藤先生に教えていただいた肩甲骨ストレッチをご紹介します。肩甲骨を肋骨からはがすようなイメージで動かし、肩甲骨周辺の筋肉をほぐしましょう。肩甲挙筋と菱形筋を意識して動かすことで、背中から肩にかけて楽になります。猫背や冷えの改善などの効果も期待できます。

■「肩甲骨をはがす」ストレッチ

腕がV字になるように

1.両ひじを曲げて肩より上に上げる(腕が上がらない人はできるところまででOK)。手は軽く握って鎖骨のあたりに置く。

2.両ひじを、ゆっくりと後ろに引く。5秒かけて息を吐きながら、ひじの位置はできるだけ下げないように。肋骨から肩甲骨を「はがす」意識でぎゅっと強めに寄せる。

3.肩甲骨を寄せたままひじを下げ、脱力する。これを5回繰り返す。

朝起きた時に5回、寝る前に5回、習慣にするのがおすすめです。デスクワークの合間などにも随時行うとよいでしょう。一つひとつの動作をじっくりと行うことが大切です。

肩甲骨のストレッチを習慣化して、自由に動く肩甲骨を取り戻しましょう。

引用:サワイ健康推進課

https://kenko.sawai.co.jp/body-care/202002.html