天気が崩れると起こる頭痛の原因は「耳」にあった!?低気圧性偏頭痛のメカニズムと予防法

2018年6月14日

くもりや雨の日は頭痛がひどくなる…

台風が近づくと頭痛がする…

 

このような症状にお悩みではありませんか?

天気と深く関係のあるこの頭痛は、「低気圧性偏頭痛」などと呼ばれる気象病のひとつです。

 

実は、この低気圧性偏頭痛には、耳が関係していると考えられているのです。

一見すると、関係がないようにも感じる頭痛と耳。

今回は、天気が崩れると起こる頭痛と耳の関係についてみていきましょう。

頭痛予防のマッサージもご紹介しますので、気になる方は最後までご覧ください。

 

90%の人が天気の影響で頭痛を感じている

みなさんは「天気が悪いと古傷が痛む」というのを聞いたことがないでしょうか?

頭痛に限らず、くもりや雨の日になんとなく体調の悪さを感じている人は多くいるように思いますが、それを示す調査結果もいくつか報告されているのです。

 

テルモ株式会社が立正大学や国土環境株式会社らと共同で行った「健康と気候に関するアンケート」調査の結果は次の通りです。

グラフを見てもわかるように、8割が天候と体調に関係があると考えており、実際に体調への影響を経験しているのは7割を超えていることが明らかになりました。

 

また、慢性的な頭痛を持っている人のうち30%以上が悪天候になると頻繁に頭痛を感じているようです。

時々痛む人を含めると、90%以上の人が天気の影響を受けているのです。

 

このように、気象の変化によって症状が出たり、悪化したりする疾患を「気象病」といいます。

今、気象病の患者数は増加傾向にあり、日本では1000万人にも上ると推定されています。

その理由がゲリラ豪雨などの極端な気象現象や生活習慣の変化です。

 

気象病の症状としては、関節痛やめまい、耳鳴り、ぜんそく、うつ、不安症などがありまが、その中で最も多くの人が挙げる症状が「頭痛」なのです。

(出典:健康と気候に関するアンケート―テルモ株式会社)

 

天気が崩れると起こる頭痛の原因は「内耳の気圧センサー」だった!?

長年気象病について研究を行い、日本で初めて「天気痛外来」を開設した愛知医科大学の佐藤純教授は、気象病の原因を「内耳の気圧センサー」だとしています。

 

これは、私たちの耳の構造を示したものです。

耳は聴力以外に、体のバランスを保つための平衡機能とも密接な関係を持つ器官です。

耳の奥には、内耳と呼ばれる部分があり、内耳にはリンパ液が少量たまっています。

体を動かすと、このリンパ液も動くため、脳が身体の現状を知ることができ、転倒しないようにバランスをとるのです。

 

そして、内耳には「気圧センサー」といわれる細胞もあります。

気圧センサーの細胞は、低気圧を感知すると興奮状態になりますが、このとき、内耳のリンパ液は、体を動かしたときと同じく、波打つように動きます。

 

内耳から脳に伝達される情報は、体が動いているというものになりますが、一方で、目から脳に伝達される情報では、体の動きはないというものになります。

この情報のズレによって、脳が混乱し、強いストレスを感じるのです。

 

脳がストレスを感じると、脳と繋がっている交感神経という神経が興奮状態になります。

この交感神経は全身に張り巡らされていて、さらに、末端の痛覚神経とも繋がっているため、頭痛が起きるのです。

 

佐藤純先生は、いくつもの動物実験を行っています。

ある実験では、内耳は正常の坐骨神経損傷ラットと内耳が破壊された坐骨神経損傷ラットを用いて、気圧の変化による行動を観察します。

すると、内耳が正常のラットのみ痛がるような様子を見せました。

さらに、内耳の情報を脳に送る神経の活動を観察すると、気圧が下がった状態では、神経の活動が活発になり、興奮が高まることがわかっています。

これらの実験から、気象病には、内耳にある気圧センサーが関与していると考えられるようになりました。

 

内耳にある気圧センサーの細胞自体は誰もが持っているものです。

しかし、その敏感さは人によって違います。

気象病の人は正常な人のわずか3分の1の刺激で気圧センサーが反応するのです。

 

参考文献:気象変化に起因する疼痛悪化のメカニズムに関する動物実験と臨床実験による連携研究
気象変化による慢性痛悪化のメカニズム
気象変化と痛み

 

気象病予防マッサージ

気象病による頭痛を予防するマッサージをご紹介します。

気象病の人は耳の血流が悪い傾向があるといわれています。

耳の血流を改善すれば、気象病の予防にも役立つのです。

 

1.耳を上下横に5秒ずつ引っ張る

2.耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す

3.耳の下に親指を当て、上に人差し指を当てて上下に折り曲げる

4.この状態で5秒キープする

5.耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回回す

(引用:「低気圧」で体調不良を起こしやすい人の特徴―東洋経済ONLINE)

 

気象病にお悩みの方は、このマッサージを1日3回、痛みの出ない程度の力で行ってみてください。

 

気圧予報で早めの対策を!おすすめアプリ「頭痛ーる」

普段天気予報をチェックするという方でも気圧の変化までは知らないという方がほとんどではないでしょうか?

気圧の変化は目に見えるものではありません。

突然の頭痛で一日どんよりとした気分で過ごすのはつらいですよね…。

 

そこで、低気圧性偏頭痛でお困りの方におすすめのアプリをご紹介します。

 

毎月35万人以上が利用中!
気象予報士が開発した頭痛・気象病対策No.1アプリ。
頭痛や気象病の起こりそうな時間帯の確認や、痛み・服薬記録として体調管理にお役立て下さい。

<このアプリでできること>
– 頭痛予測:気圧グラフとプッシュ通知で頭痛を予測
– 全国マップ:全国主要都市の気圧予報と天気予報をチェック
– 痛み&くすり記録:痛みの発生とくすりの服用をかんたんに記録
– 痛みノート:記録一覧表示で傾向をチェック

◆◇◆◇ユーザーの反響◇◆◇◆
『事前に心構えと薬の服用とか、スケジュールも考えられるので有難いです』
『グラフで気圧の推移が見えると「これじゃ仕方ないなぁ。」とわかって気が楽になります。』
『先のことが具体的に予測できてとても助かっています。この時間に人と会うのは避けようとか。』

◆◇◆◇一つでもあてはまる方に◇◆◇◆
『旅行や大事な会議、なるべく頭痛がしない日を選びたい』
『頭痛のきっかけが分かったら…心構えができるのに』
『雨の日の朝、きまって調子が悪い』
『台風の日、寝込んだことがある』
(脳脊髄液減少症の方、線維筋痛症、片頭痛、鬱、不眠、睡眠不足、リウマチ、肩こり、関節や古傷の痛み、自律神経の不調などの方にも)

◆気圧とは…?
自分自身にかかってくる空気の重さ。なんと約15トン!
日々ダイナミックに変化し体調に影響を与えています。

頭痛や気象病の起こりそうな時間帯の確認やメモ、ダイアリーとして体調管理にお役立て下さい。

(引用:気圧予報で体調管理―気象病・天気痛対策アプリ『頭痛ーる』)

 

これは、気圧の変化を地域ごとに細かく予報し、頭痛が起こりそうなタイミングを教えてくれる便利なアプリです。

事前にお知らせしてくれると、早めに薬を飲むなどの対策もできますね。

 

また、痛みノートという機能もあります。

これは、頭痛が発生した日や症状、薬の服用の有無などを記録しておくことができる機能です。

 

ぜひこの「頭痛ーる」を活用してみてください。

 

まとめ

いかがでしたか?

天気の変化が原因で頭痛が起きていても、周りからはなかなか理解されなかったり、ただ怠けているように見られてしまったりすることが少なくありません。

頭痛がある中での家事や仕事は本当につらいものです。

天気の崩れからくる頭痛に悩んでいる人は、今回ご紹介した予防法を試してみてはいかがでしょうか?

また、気圧変化を予報してくれるアプリを使って、頭痛と上手に付き合っていきましょう。