女性の5人に1人が片頭痛?薬に頼らない対処法「カフェインナップ」 

2018年6月14日

ズキンズキンと脈打つような痛みが続く片頭痛。

市販薬でなんとか乗り切っているという方もいるでしょう。

 

片頭痛に悩む女性は多いですよね。

特に30代女性に多く、5人に1人は片頭痛持ちといわれています。

仕事や家事、育児に忙しい女性は、手っ取り早く市販の痛み止めに頼りがち。

 

しかし、たかが片頭痛と甘く考えてはいけません。

最近では、頭痛薬の飲みすぎによってかえって症状が悪化する「薬物乱用性頭痛」の危険性も指摘されています。

 

日本人の8%は片頭痛を抱えている

頭痛にはさまざまな種類があり、痛みの強さや痛みのある場所、持続時間など、症状も人によって異なります。

日本神経学会と日本頭痛学会が監修する「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」によると、頭痛は大きく次の3種類に分けられます。

 


1.明確な疾患がなく、原因のはっきりしない「一次性頭痛」

2.明確な疾患が原因で突然起こる「二次性頭痛」

3.その他


 

頭痛に悩む人のうち約9割が一次性頭痛だといわれており、「片頭痛」もこのタイプに分類されます。

片頭痛は、頭痛といえばこれといっても良いほど一般的に広く知られていますよね。

くもりや雨の日に痛みが強くなるといった頭痛も、この偏頭痛の一種だと考えられています。

 

日本人の8.4%が片頭痛に悩まされているというデータもあり、これは実に1千万人以上の日本人が片頭痛を発症しているということになります。

男女別に見ると、男性が3.6%、女性が12.9%と、女性が男性の3.6倍もの有病率です。

男性は20〜30歳代、女性は30〜40歳代の有病率が高く、働き盛りの年代で多い傾向があります。

 

片頭痛が日常生活に及ぼす影響を見ると、「いつも寝込む」4%、「ときどき寝込む」30%、「寝込まないが支障は大きい」40%と、74%が日常生活に影響を感じています。

特に女性は男性よりも支障の度合いが大きいようです。

 

一方で、7割近くの人は、片頭痛のために仕事や社会生活を犠牲にすることはないと答えています。

 

これらのデータから、痛みを我慢して仕事や社交を行っている人が多いことがうかがえます。

 

片頭痛は、頭の片側もしくは両側がズキンズキンと脈打つように痛むというのが特徴です。

これは、頭部の血管が拡張し、拍動に合わせて周囲の神経に刺激が伝わることで起こります。

吐き気や嘔吐を催したり、普段は気にならないような光や音、匂いに対して敏感になったりというような症状を伴うこともあります。

 

(参考:【医療関係者向け】頭痛の疫学―エーザイの医療関係者向けサイト)

 

片頭痛の前兆「閃輝暗点」

片頭痛は、痛みが起こる前に前兆のある場合があります。

中でも多いのが「閃輝暗点」と呼ばれるものです。

突然、視野の真ん中あたりに、太陽を直視した後の残像のように、チカチカと光る点が現れ、物がゆがんで見えたり、目の前が真っ暗になったりします。

初めは小さかった光が次第に大きくなっていき、視界の大部分が見えなくなることも…。

これらの視覚的症状は目を閉じていても起こります。

 

この他にも、手足のしびれや言葉が話しにくくなる失語性言語障害、感覚が鈍くなる感覚異常といった症状も見られます。

 

前兆のある人は全体の20~30%といわれていますが、同じ人でも痛みの前にいつも前兆が現れるというわけではありません。

 

片頭痛でも7割は病院に行かない

体を動かすと痛みがひどくなることが多く、普段は何の症状もなく、いったん治まると痛みは嘘のように消えるため、市販の頭痛薬でしのぐ人が多いのが現状です。

 

片頭痛患者の医療機関の受診率は、次のような結果になりました。

なんと約7割は、一度も医療機関を受診したことがなかったのです。

 

対して、アメリカでは偏頭痛を持つ人の69%は受診歴があるようです。

 

薬の使用率をみると、全体の56.8%が市販薬のみで対処しているとのデータもありました。

 

これらのデータから、日本人の片頭痛に対する病識は乏しいとの指摘もあります。

 

(参考:【医療関係者向け】頭痛の疫学―エーザイの医療関係者向けサイト)

 

頭痛薬の飲み過ぎは「薬物乱用性頭痛」を招く

このように頭痛が起きた際、市販の頭痛薬で対処する人の多い片頭痛ですが、痛みに対し敏感になって頭痛薬が手放せなくなったという人もいらっしゃるのではないでしょうか?

また、痛みがひどくなる前に頭痛薬を飲む習慣が身に付き、頭痛薬に依存している場合もあります。

 

最近では、鎮痛薬を過剰に用いることが原因で、頭痛が起きる回数が増えたり、痛みの強さが増したりと「薬物乱用性頭痛」に陥っている方が増えてきています。

薬物乱用性頭痛の症状は次の通りです。

 

・月に15日以上頭痛がある。

・頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。

・朝起きたときから頭痛がする。

・以前はよく効いていた頭痛薬が効かなくなってきた。

・薬をいくら飲んでも頭痛が以前よりひどくなってきた。

・頭痛の程度、痛みの性質、痛む場所が変化することがある。

・以前は月に数回、片頭痛が起こっていた。

 

(引用:薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)って?―スッきりんのバイバイ頭痛講座)

 

これらの症状に心当たりのある方は、一度医師に相談することをおすすめします。

 

片頭痛には「カフェインナップ」がおすすめ

片頭痛は、血管の急激な拡張によって引き起こされる頭痛です。

つまり、痛みを抑えるためには、拡張した血管を収縮させなくてはいなりません。

 

そこでおすすめなのが「コーヒー」

コーヒーに含まれるカフェインには、拡張した頭部の血管を収縮させる効果が期待できるのです。

200万人の頭痛を改善した頭痛専門医、清水俊彦先生も頭痛解消法として紹介しています。

 

カフェインは、頭痛薬などにも多く用いられている成分です。

頭痛外来の病院として有名なクリニックの院長、大和田潔先生は、「カフェインナップ」と呼ばれるカフェインを利用した昼寝を推奨しています。

 

カフェインナップの方法

 

①しばらくカフェインを飲まず、カフェインが体にない状態を12時間以上作る。

②眠くなってきたら、コーヒーや紅茶などのカフェインをとってから30~40分昼寝する。

③腸から吸収されたカフェインは20~30分後に効いてくるため、30~40分後に起きると、短い睡眠時間でも寝起きがすっきりする。

 

(引用:専門医に聞いた!「休日になると頭痛になる」を解消する方法―CanCam.jp(キャンキャン))

 

ただし、飲みすぎには注意が必要です。

カフェインには中毒性があるため、依存症に陥ったり、長期間大量に摂取するとかえって症状を悪化させたりする可能性もあります。

飲みすぎないようにしながら、上手に活用してみてくださいね。

 

まとめ

いかがでしたか?

片頭痛は、人によって痛みの強さや痛みのある場所、持続時間など、症状もさまざまです。

どういうときに起きやすいか、場所や天気、状況などパターンをつかんでおくために「頭痛日記」をつけるのもおすすめです。

これは、病院を受診する際、医師に症状を説明する上でも役に立ちます。

自分の頭痛を理解し、頭痛薬に頼らない対応をしていけると良いですね。