本当にただの肩こり?違和感には気を付けて、首下がり症候群!
この世の中には非常にたくさんの疾患があります。例えば首の靭帯が骨化(こつか)してしまったり、背骨が湾曲してしまったり、本当は身体を守るための免疫システムが反対に身体を攻撃してしまったり、などなど挙げだせばキリがないほどです。
もちろん、痛みを伴う疾患にかかることがいいわけではありませんが、今回のテーマになっている首下がり症候群のように常に下を向いている(顎と鎖骨がくっついてしまう)ような身体の変形を伴う疾患というのは見た目にも悪く、生活がしにくくなり、人目に触れるのを恐れるようになってしまうものです。
多くの場合、この疾患は肩こりにも似た肩の違和感から始まり、それを放置して重症化してしまうことで先のような症状を引き起こすようになっていきます。それでは詳しく確認してまいりましょう。
首は人間にとって大切な組織
それでは首下がり症候群の説明の前にまずは私達にとって首がいかに大切かというお話からしていければと思います。首は人体にとってとても大切な頭部を支える組織ですが、そこには空気の通り道である気管や食べ物を運ぶ食道などが存在しています。
その他に脳から発せられる電気信号を体に伝える中継地点でもありますし、またあごの下には顎下腺と言う唾液を作るための組織もあり、重要な役どころとなっています。しかし一方で首というのは内臓のようにあばら骨が周りを守っているわけではありませんし、強靭な骨や筋肉が守っているわけでもなく、薄い皮膚のすぐ後ろに頸動脈もあることで人間の急所ともいえる構造をしています。
この理由は首に筋肉が多かったり、あるいは頑丈な骨で囲まれていた場合、首を回すことも出来なければ上下左右にスムーズに動かすことが出来なくなってしまうからです。
また、実は体重の一割もあると言われている人間の頭部を首はたった一本の骨だけで支えているので非常に周りの筋肉に負荷を掛けやすく、その結果、国民病とも言われる肩こりが発生する要因にもなっています。
首下がり症候群とは?
首下がり症候群は肩こりや肩のハリなど日常的な不調から始まりますが、症状が軽いものが多く、放置されてしまいやすい疾患です。しかしそのまま何もせずに過ごしてしまうと、頭部の重量を感じるようになったりして、前かがみになったり、それでも無理に首をあげようとすると首や背中に痛みを感じるようになります。
昨今ではパソコンやスマートフォンを日常的に使う若者にも見られますが、多くは老化や疾患によって筋肉がおとろいていくご高齢の方によく発症します。
症状は慢性的に表れる場合もありますが、朝は健康な状態をキープできていても午後になると首が垂れ下がるようになり、前述の通り、背中や首に痛みを感じます。また他の症状としてはうつむき加減が続くので視線が下に下がって歩きにくかったり、食べ物を飲み込みずらい、頸動脈が圧迫されることによって血の巡りが悪くなってしまうなどの症状も見られます。
首下がり症候群はこのように、どういった症状が起きているかは判明しているのですが実はこれが起こる原因は一つではありませんし、すべてが解明されているわけでもありません。
しかしその中でも改善方法をご紹介するならば、加齢からくる首下がり症候群は首周りの筋肉を鍛えること、あるいは緊張している首の筋肉をほぐしてあげることによって改善が見込めます。
ただ注意点としてこの疾患は体の震えが起こるパーキンソン病、筋肉が以上に緊張が続けるジストニア、あるいは全身の筋肉が弱くなっていくミオパチーでも同じような症状が発生するのでご自身で改善に向けた努力をしても一向に症状が改善しない場合は専門家の方に相談することをお勧めします。
まとめ
今回はうつむく機会の多い若者や加齢によって首の筋肉が衰えることで発症する首下がり症候群について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、この疾患の原因は全て解明されておらず、他の疾患と同様、普段から意識的に筋肉トレーニングを行ったり、姿勢を正すことが重要です。
また首下がり症候群ではなくストレーネックやスマホ首になっている方々も同じなのですが、主に肩こりと言うものは首を構成している筋肉が緊張を起こし、その緊張によって血流が悪くなる。そしてその悪くなった血流によって痛み物質が蓄積されたり、筋肉の炎症を起こすことによって痛みが発生しますので、集中して何かを行っている時はいかり肩になっていないか、必要以上に肩に力を入れすぎていないか、など気を付けてみましょう。
あるいはどうしても緊張して肩こりになってしまう場合は、一時間に一度ほど席を立って、腕をぐるぐると大きく回すだけでもかなり症状は軽くなりますので、是非、実践してみてください。