子供の転倒に気を付けましょう!上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ!)
健康で元気な子供が生まれてきてくれることは何よりもうれしいことですが、活発であるほど転倒や生傷をいつも作ってしまうので、ご両親の心配というのは尽きないものだと思います。
歩き始めてから二歳までの間は子供の視界も狭く、視点も低いことから転びやすかったり、家具や机と言った障害物が判断できないのでそういった物にぶつかってしまってすり傷や打撲が多いですし、保育園や幼稚園に通うようになって元気に走れるようになると、動き始めの時に比べ傷の程度も大きくなりますが、手や膝をついて転んだ時の受け身が取れるようになるので直接、頭を強打するようなことは少なくなりますが、手のひらのすり傷や膝のすり傷、打撲、大きな事故になると骨折などが増えるようになっていきます。
そんな年代に差し掛かったころに気を付けたい骨折が今回ご紹介する上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)の骨折です。もちろん、気を付けすぎて過保護のなってしまうのもよくありませんが、注意できる所は注意して未然にケガを防いであげたいものですね。それでは記事を始めてまいります。
上腕骨顆上骨折、、、どこの話?
足や背中、頭といった部位の名称は小学校でもご家庭でも勉強する機会があると思いますが、骨や関節の正式名称というのはわかりにくいものが多く、上腕骨顆上もどこにあるものか想像できないと思いますが、これは肘の少し上あたりにある二の腕の骨を骨折した状態を指しています。
冒頭にもありますが、自分で歩けないほど小さな子供の場合、そもそもの動きが遅いので障害物にあたってもさほど大きなケガになることはありません。どちらかといえば、骨や身体が柔らかいので飛んできたり、落ちてくるものに注意が必要です。
しかし自分で走ったりできるようになると転ぶ時にも受け身が取れるようになるので、腕や足の骨折に注意が必要です。またこの頃はまだ成長期にも到達していませんので、骨が脆く、大人に比べて骨の面積が小さいのでちょっとした転倒でも骨に強い力がかかり、骨折してしまいます。
上腕骨顆上骨折の症状は他の骨折と同様、腕が腫れる、激痛が走る、動かなくなってしまう、などが挙げられますが、似たようにその年代に発症しやすいケガの一つとして肘内障(ちゅうないしょう:肘の脱臼)などもありますので、どういった症状かわからない場合は安静にして専門家に相談にいきましょう。
子供の転倒にはどうやって注意する?
前述のようにこの骨折は子供に起こりやすいわけですが、自分が見ていれば転んでケガをしたと理解できますが、大抵の場合、ご両親がみていない時に起こってしまうものなので、事態がわからず、子供は痛みのせいでいつもよりも自分の状態をキチンと説明することが出来ません。
ですから冒頭のようにできるだけ予防してあげる努力が必要になってきます。そうはいっても全ての事故を防ぐことはできませんが、やはり事前に車やアスファルトの危険性をしっかりと教えておいたり、高い所から飛び降りたり、危険な所を全速力で走って転んだりすると、自分たち(両親)がどれほど心配で悲しい気持ちになるか理解できるまで根気よく説明してあげるのもいいかもしれません。
けれど子供の時にいくら口で説明してもなかなか理解してくれないときもあります。それは自分の実体験として痛みを経験していないからです。人間は痛みによる失敗で始めてそのものが危険だと判断できるようになります。
ですが大人の中にも交通事故に巻き込まれたことがない、骨折をしたことがない、という方は多くいらっしゃっても、それが危険なものであるという認識は私たちにもあります。これは映像や視覚によって疑似体験をしてきているからです。
つまり子供の代わりに両親がケガをする(傷つくふり)ことで、子供に危険を疑似体験させてみるものいいかもしれません。
まとめ
今回は自分で走ったり、遊んだりできるようになった年齢に多い骨折。上腕骨顆上骨折について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、この年代は骨折に限らずよく転倒もしますので生傷も多く、できるだけの予防策をとっておきたい年齢です。
また、これも文中にありますが、子供はケガをすると痛みから泣き出してしまって、自分の状態をよく説明することが出来ません。骨折は全くなんの処置もしないと骨が変形してくっついたり、壊死を起こしてしまうことがあり危険ですが、それ以上に頭を強く打っている場合は命に係わるケガをしている場合もあります。
いずれにしても子供が転倒して痛みを訴えている時はまず、周りに車などが走っていないか、硬い遊具がないか、そして子供の怪我の状態をしっかりと把握することが大切です。また外傷が見当たらないからといって、揺らしたり、無理にひっぱって起こそうとせず、安静にして専門家に相談に行くようにしましょう。